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精神疾患患者の“妄想カルタ”なぜ生まれた

2018年6月20日 15:35
精神疾患患者の“妄想カルタ”なぜ生まれた

カラフルでポップな絵札の数々――これは精神疾患患者の幻聴や妄想を基に作られた「かるた」です。「せ」の絵札に対応する文字札は「正社員が叫んでる!」。この男性の体験から生まれました。

金原さん「スーパーマーケットで、障害者枠で働いていたんですけど、社員がブラック企業の大変さに暗闇でわめいているんですね。もう少し気楽に医者とか行けたら、救われる人がたくさんいるんじゃないかと」

「ぬ」の絵札に対応する文字札は「ぬいぐるみ、夜中の3時に、サンタが持ってきた」です。

のんこさん「ドブから拾ってきたようなねずみ色のうさぎのぬいぐるみが、うちの玄関の前に置いてあって、捨てさせてもらいました」

「つ」の絵札に対応する文字札は「妻が気になる帰り道、ゴミ捨て場に倒れていたのは怪人だった」。

諸星さん「ゴミ捨て場が暑かったのかな、そこに頭の中で怪人を置いてみたら、動かなくなった…」

患者にとって幻聴・妄想を語った時の周囲からの拒絶は苦しみのひとつだといいます。かるたは精神疾患を理解してもらおうと発案。その制作は、就労継続支援センターに通う精神疾患当事者が行い、売り上げは工賃になる仕組みです。

「心の病気はどんなものかを、あまり怖がらずに、誰でも起きうる可能性として、わかってもらいたい」(就労継続支援B型ハーモニー施設長・新澤克憲さん)

【the SOCIAL lifeより】