拉致可能性の特定失踪者「真剣に考えて行動を」妹の救出願い ストックホルム合意、まもなく10年
北朝鮮が日本政府との間で、拉致被害者などの全面調査を約束した、いわゆる「ストックホルム合意」から、まもなく10年が経ちます。時間だけが過ぎていく中、拉致の疑いを否定できない特定失踪者の家族の思いを取材しました。
竹下珠路さん
「彼女が18歳の時に着ていたジャケット」
1973年7月、千葉県から失踪した古川了子さん。北朝鮮による拉致の疑いを否定できない特定失踪者の一人とされています。当時18歳でした。
竹下珠路さん
「了子も今年の1月で69歳。それなりのおばあちゃんになっていると思うんです」
古川さんの姉、竹下珠路さんは失踪から50年以上経った今も、政府に救出を訴え続けています。
2014年5月に開かれた日本と北朝鮮の政府間協議では、北朝鮮が拉致被害者らの全面的な調査を約束。
2002年に5人の拉致被害者が帰国して以来の大きな動きになるかもしれない。
竹下珠路さん
「これで少しは進むかなと期待をした」
しかしその後…、北朝鮮のミサイル発射などを背景に日本政府が独自制裁を強化したことで、北朝鮮は一方的に調査を中止に。
高まった期待は裏切られたまま、10年という月日が過ぎました。
しかし家族の思いは変わりません。
竹下珠路さん
「会いたいです。いつまでも救い出せないでごめんねって、(亡くなった)母に会わせてやれないでごめんね。生きているうちに取り返すにはどうしたらいいか(政府に)もっともっと真剣に考えて行動していただかないといけない」