国のこども政策の根幹「こども大綱」 専門家らが大臣に答申
「こども大綱」の策定に向け、こども家庭庁の審議会が加藤こども政策担当大臣に答申を提出しました。
こども大綱は、少子化対策やこどもの貧困対策など、従来の3つの大綱を一本化するもので、今後5年程度の国のこども施策の基本的な方針や重要事項を定めるものです。この大綱に盛り込むべき内容について、こども家庭庁の審議会で専門家らが議論し、取りまとめた内容を、1日、加藤こども政策担当大臣に答申しました。
この答申では、こども大綱によって目指す「こどもまんなか社会」について、全てのこどもが「心身の状況、置かれている環境等にかかわらず、権利の擁護が図られ、身体的・精神的・社会的に将来にわたって幸せな状態で生活を送ることができる社会」と明記しました。
具体的には、こどもたちが「意見を持つための様々な支援を受けることができ、意見を表明し、社会に参画できる」「希望と意欲に応じて、のびのびとチャレンジでき、将来を切り拓くことができる」社会などと、こどもの視点に立った形でも示されました。
その上で、「こども・若者を権利の主体として認識し、その多様な人格、個性を尊重し、最善の利益を図る」「こどもや若者、子育て当事者の意見を聴き、ともに進めていく」といった基本方針が掲げられました。
さらに、こども施策に関する重要事項は、ライフステージ別にも細かく示され、学童期・思春期の居場所づくりなども盛り込まれました。
また、こども大綱に基づいて取り組む施策を具体的に示すため、「こどもまんなか実行計画」を作成するとしました。
引き続き、審議会で、施策の実施状況などを検証・評価した結果を踏まえ、毎年6月ごろをめどにこども政策推進会議でこの計画を改定することで、関係省庁などの予算の概算要求などに反映し、継続的に施策の点検と見直しを図るとしています。
今回の答申取りまとめに当たっては、こども・若者や子育て当事者のべ2341人から、3429件の意見が寄せられていて、答申にどのように反映したかを明示したほか、反映にいたらなかったものについても理由や考え方が示されました。
こども大綱は今後、この答申をもとに政府や与党での調整を経て、岸田総理をトップとするこども政策推進会議で大綱案が作成され、今月中に閣議決定される見通しです。