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国会の食堂に初の「ヴィーガン料理」出現

2021年9月10日 22:20
国会の食堂に初の「ヴィーガン料理」出現

国会衆議院第二議員会館食堂で、今月6日よりヴィーガンメニューが毎日提供されることになりました。気候変動問題やSDGsへの取り組みとして、動物性のものを一切使わない「ヴィーガン料理」が、国会の食堂に毎日のメニューとして導入されたのは初めてです。

■ポール・マッカートニー提案の「ミートフリーマンデー」はご存じ?

「ミートフリーマンデー(Meat Free Monday)」とは、ベジタリアンとしても有名なイギリスのミュージシャン、ポール・マッカートニーが2009年に提唱した「週に1日お肉を食べない日をつくる」という世界規模のキャンペーンです。

2015年には、日本で「ミートフリーマンデーオールジャパン」が発足し、2017年には、同団体の事務局長で内閣府職員の小城徳勇さんの働きかけで、内閣府食堂に公共機関としては日本で初めて週1回のヴィーガンメニューが導入されました(現在は週3回)。

「地球温暖化を食い止め、かけがえのない資源を守り、多くの動物の命を助け、そして、より健康な身体を手に入れること」という活動趣旨が、気候変動問題やSDGsへの取り組みの一環として、社会全体に浸透し、今年に入ってから気象庁の食堂にも週1でヴィーガンメニューの提供が始まりました。

■ヴィーガンとベジタリアンの違いとは?

ヴィーガンとは完全菜食主義者のこと。ベジタリアンと違い、卵やチーズなど動物由来の製品もNGで、肉を含む動物性のものが一切使われていないのが特徴です。

今回のヴィーガンメニュー導入については、「ミートフリーマンデーオールジャパン」が「ベジタリアン/ヴィーガン関連制度推進のための議員連盟」(通称:ベジ議連)に働きかけ、ベジ議連事務局長で立憲民主党の松原仁議員が衆議院議員第二会館食堂(運営:株式会社ニユートーキヨー)と調整を重ねた結果、実現したものです。肉の代わりに大豆ミートを使用した「ガパオライス」と「豆腐ステーキ定食」の2種類で、いずれも毎日提供されるとのことです。

■国会の食堂で初めて 「ヴィーガン革命」の大きな一歩

ヴィーガンメニューが始まって4日目、記者も食堂で「豆腐ステーキ定食」(850円)を試食しました。八丁味噌の効いたソイミートそぼろが絶妙な味で、やみつきになりそうです。「色々と試行錯誤の末、ようやく納得のいく味が実現しました」と語る食堂の中山敏店長は、今後、メニュー数を増やすことや、他店舗での提供も検討しているということです。

松原議員は「議員会館食堂のヴィーガン料理の出現が、日本における『ヴィーガン革命』、『ベジタリアン革命』の大きな覚醒の日となることを祈りながら、ベジ議連の事務局長としてさらに邁進していきたい」と、抱負を述べました。

写真:国会衆議院第二議員会館食堂
ヴィーガンメニュー「ガパオライス」と「豆腐ステーキ定食」