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「出勤途中に蒸しパンを食べた」 乗務前検査で“アルコール検出” バス運転手を処分

2022年11月1日 21:38
「出勤途中に蒸しパンを食べた」 乗務前検査で“アルコール検出” バス運転手を処分

バスの運転手が、乗務前の検査でアルコールが検出されたとして処分されました。運転手は“蒸しパンを食べた”と主張しています。パンを食べてアルコールが検出されることはあるのか、実験してみました。

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10月31日、大阪府の高槻市営バスの男性運転手(49)が戒告処分されました。市によると10月23日に“乗務前の検査で呼気1リットル中に0.11ミリグラムのアルコールが検出された”というのです。

道路交通法の酒気帯び運転の基準値は超えていませんでしたが、高槻市では、その基準より厳しい「0.07ミリグラム」と設定しています。運転手は合わせて3回検査しましたが、いずれもこの基準を超えたため、その日は乗務せずに帰宅したということです。

運転手は「出勤途中の車内で蒸しパンを食べました。反省しています」と話すなど、“パンを食べた”と主張しています。

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パンを食べてアルコールが検出されることはあるのか、実験してみました。

記者
「ほとんどアルコールの風味は感じません」

「こちらのアルコールチェッカーで呼気を測定してみたいと思います。高槻市の基準には達しませんでしたが、(呼気1リットルあたり)『0.05(ミリグラム)』という数値が出ました」

実は、パンの中には、「酒精」というアルコール成分が含まれていることがあるのです。そのため、高槻市ではパンの他にも漬物や栄養ドリンクなどを摂取した場合にアルコールが検出されることがあるとして、検査前の飲食に注意するよう呼びかけています。

一方、大阪府警の交通指導の担当者によると、“アルコールを含む食品で酒気帯び運転の基準を超えるには相当な量を食べなければならず、大阪では、食品を原因とする酒気帯び運転の摘発事例は把握していない”といいます。

バスの運転手から検出されたアルコール。高槻市は「運転のプロとして自己管理を怠っていたのは遺憾だ」とコメントしています。