【気象解説】北海道で記録的大雪…北陸などでも「ドカ雪」おそれ 原因と見通しは?
日本列島には数年に一度の大寒波が襲来しています。北海道では記録的な大雪となるなどすでに被害も出ていますが、この大雪の原因、そして今後の見通しなどについて、気象予報士の木原実さんに聞きました。
強烈な寒波が入り始めた3日(月)夜から4日(火)朝にかけて、北海道の一部地域では記録的な大雪となりました。4日(火)午前9時までの12時間、つまり半日で降った雪の量は、帯広で120センチとこれまでの記録を大幅に塗り替えるような“ドカ雪”となりました。3日(月)夕方の時点では数センチの積雪だったにもかかわらず、翌朝には1メートルを超える雪が積もっていた、という記録的な降り方です。
原因はいくつか考えられますが、まずは発達した2つの低気圧です。さらに上空には今冬最強の寒波が流れ込んでいますので、気温が低い中、発達した2つの低気圧が北海道付近へ進み、湿った空気、つまり雪雲が北海道東部に強く流れ込んだことなどが主な原因です。
もう1つ考えられるのは海水温です。北海道東部の沖合の海水温は平年より4~5度も高く、多量の水蒸気が補給されたことで雪雲が発達したことも影響しているかもしれません。
北海道の東部では大雪の峠は越えましたが、この先は日本海側、それも列島広い範囲で大雪に警戒が必要となりそうです。4日(火)夜以降、北海道東部の雪は弱まりますが、日本海側は北日本だけでなく、西日本も含め、広く雪が続く予想です。
特に発達した雪雲が次々と流れ込む北陸地方では、今回の北海道東部同様、いわゆる“ドカ雪”というような降り方となる見込みです。今回の大雪、ピークとなるのは6日(木)にかけてとなりそうですが、その後も東北、北陸、東海地方などでは9日(日)ごろにかけて、引き続き大雪に警戒が必要です。
週間予報でも9日(日)にかけて寒気が居座るという傾向は同じです。日本海側を中心に風も強まりますので猛吹雪にも警戒が必要です。東京でも6日(木)は朝の気温が氷点下1℃の予想など、しばらくの間、厳しい寒さが続く見込みです。改めてですが大雪が長く続く影響で車の立ち往生や交通障害などが発生するおそれもあります。十分に警戒してください。
(2月4日午後4時55分ごろ放送『news every.』より)