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震災から12年…復興した岩手県久慈市に発生した新たな課題 目指すは“犠牲者ゼロ”

2023年3月6日 9:46
震災から12年…復興した岩手県久慈市に発生した新たな課題 目指すは“犠牲者ゼロ”

12年前の東日本大震災で津波による被害を受けて以降、様々な津波対策を行ってきた岩手県久慈市。しかし去年9月に岩手県が“あるデータ”を公表したことで、新たな問題が生じました。

それは、岩手県が公表したの日本海溝沿いなどを震源とした巨大地震による被害想定です。もし岩手県沖で巨大地震が発生すると、久慈市で最大震度6強の地震が発生し、最悪の場合、津波などの影響で県内最多の4400人が亡くなるとみられています。

この想定を受け久慈市は――

久慈市消防防災課 田中淳茂課長
「まさかそこまで浸水が広がるのかと。市職員も大きな衝撃をうけたというところです」

新たな想定では東日本大震災を上回る最大で高さ16mの津波が発生するとされています。そのため、2016年には建てられた高さ9mの避難タワーは、津波の際の避難に使用できなくなりました。

さらに浸水の範囲は12.3k㎡と東日本大震災のおよそ3倍に。津波は多くの人が生活する市の中心地まで到達すると想定されています。

海から約2km離れた久慈市役所も最大で6.58m浸水すると公表されました。これは庁舎の2階天井部分まで浸かってしまうほどの高さです。

平野部が広く、高い建物が少ない久慈市。避難に時間がかかることも甚大な被害が想定される理由の1つと考えられるといいます。

岩手県の公表を受けた久慈市は、避難場所を改めてハザードマップを更新。また市民を対象にした説明会や、新たな津波浸水区域を想定した避難訓練も実施するなど対策を進めています。

久慈市に住む人たちは、とまどいを隠せない様子でした。

久慈市在住の男性
「現実的に受け止められないところがあるんですよね。東日本大震災の時もこの辺には水はあがらなかったしね」

一方、東日本大震災で実家が流されたという女性は――

久慈市在住の女性
「でもオーバーだとも思えないね。揺れたらとにかく川沿いじゃないところに逃げろ!って言われて育ってきてるから、それは子どもたち孫たちには教えてます」

新たな対策が求められるも財源の確保など課題も多いという久慈市。しかし、目指すのは“犠牲者ゼロ”だといいます。

久慈市消防防災課 田中淳茂課長
「誰一人犠牲者を出さない。犠牲者ゼロを目指して、今後防災対策に色々取り組んでいくというところで考えているところです」

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