「社会課題解決」手がけるきっかけは
日本財団ソーシャルイノベーション推進チームでチームリーダーをつとめる花岡隼人さん。
――ソーシャルイノベーション推進チームとはどのようなことを行っているチームなんでしょうか。
わかりやすく申し上げますと、日本財団と一般社会の接点を広げていくという役割をおっています。
日本財団の設立から60年ぐらい経つんですけれども、日本財団という認知度はそこまで高くないんです。一方で日本財団は社会課題に取り組んでいく中で、社会の方からの共感を理解を得て、その課題に向けて事業を進めていかなければいけない。そういうところに、一般社会の理解をもっと得るためにいろんな事業を作っているのが、うちのチームになります。
――そうした中で花岡さんはその社会課題解決にすごく情熱を持たれていると感じているんですが、そもそもなぜそうなったのか、きっかけというのは何なのでしょうか。
実はですね、私2011年から2013年までポーランドに留学をしておりました。(モニターに写真が映る)こちら写真ご覧いただきますとわかる通り、これは、留学生向けのクラスでいろんな国からですね、留学生が来ておりまして、アメリカやイギリスといった先進国だけではなくて、アフガニスタンやイラクとか、紛争真っ只中のような国からも留学生が来ていました。
中でも私が衝撃を受けたのは、チベットとかクルドといった“国なき民”と呼ばれるような人たちとの出会いだったんですね。彼らはやはり、悲惨な環境であるということだけあって、国とか社会について常に考えていて、当時、私は自分のことしか考えていなかったんですけども、その自分も非常に恥じまして、これからの人生は、他の誰かの役に立ちたいと思って、次の仕事を探していたところ、日本財団に出会ったという形になります。
――そういう思いで活動されているということなんですけども、まさに今取り組んでいることというのは具体的に何なんでしょうか。
2つご紹介させてください。1つはこちらの集合写真になるんですけども、“the SOCIAL”さんでも生中継していただきました日本財団ソーシャルイノベーションフォーラムというイベントになります。先ほど申し上げました通り、一般の方との接点を広げていくということで、日本財団が全社を挙げて行っている1年に1回のイベントになります。
行政や企業、研究者の方と社会課題を議論し、また解決方法についてもアイデアを出していく、そのようなイベントでして、これまで4年間行って、延べ1万人の方にご来場いただいています。
――実際、4回集まって何か変化は、生まれましたか。
この4年間やっていく中で、私イノベーションフォーラムやってますというふうにお伝えすると、あのイベントよかったよとか、日本財団のこれまでのイメージが変わりましたと言っていただくことが多くなりました。
一般の方にとってみれば、我々の虎ノ門にあるビルですね、なかなかお越しいただく機会がない中、こういったイベントですと、気軽に立ち寄れるのかなと思っていて、そういう意味では一般社会の方との接点を広げる機会になっているのかなと思います。
――そして2つ目をお願いします。
(モニターに写真が映る)こちらご覧いただきますと5人映っていて、私以外は全て社会起業家といわれる方々でございます。今、日本財団は社会課題の解決に担い手を増やすという目的で、創業支援プログラムとして、日本財団ソーシャルチェンジメーカーズというプログラムを運営しております。
シンガポールのアクセラレーターであるインパクテックですね、画面の向こうの女性の方ですけれども、その方が代表を務めるインパクテックと共同して運営をしております。テーマとしては、社会課題をテクノロジーで解決して、かつ日本だけではなく、世界を視野に入れて活動している社会起業家の方に、我々として資金ではなく、いわゆる経営面でのサポートを、いろんな形で行っているというようなプログラムになります。
――こうした活動を通してどのような未来を描いていきたいと思われているのでしょうか。
日本財団の年間の予算が500億円近くある非常に大きな財団ではございますが、先ほど申し上げました通り、一般の方々との接点をもっと広げていかなければいけないなというふうに思っています。(モニターに写真が映る)ご覧いただきます通り、こちらは先ほどご紹介したソーシャル展示メーカーの成果発表会というものでございますが、この会場にご来場いただいた方は、これまでおそらく日本財団と接点がなかった方々が多いんではないかなと思います。
やはりこの社会起業家の成果発表会を通じてですね、また私どもを知っていただいて、日本財団だと一緒に仕事してみたいという方をもっと増やしていきたいと思っています。
――いま新型コロナで、集まることがちょっと難しいですが何か影響は出ていますか。
そうですね、ソーシャルチェンジメーカーズ、先ほどいった創業支援プログラムにつきましては、今リモートでいろんなツールを使いながらやっております。新型コロナとはいえ、スタートアップの方々は日々前に進んでいかなければいけないので、厳しい制限のもとではありますが、役に立てるように、少しずつ工夫をしているところです。
【the SOCIAL guestより】