福島県喜多方市の民家にクマが入り込み、一時この家に居座りました。クマはこたつに頭を突っ込んでいたということです。

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24日午前、雪で白く染まった福島県喜多方市の山あいの町で、何度も響いた“破裂音”。盾を手にした警察官の姿も。騒動の原因は…クマです。

記者
「クマが入り込んだのは、山あいにある民家です。今も居座っているとみられ、警察が周囲を警戒にあたっています」

はじまりは、23日午後6時半ごろのことでした。

通報
「茶の間に、クマがいる」

60代の男性が自宅に帰ったところ、茶の間で目撃した“黒い影”。正体は体長90センチほどのクマ。家に忍び込み、こたつに頭を突っ込んでいたというのです。

男性はクマを見つけると、すぐに隣の家に避難。ケガはありませんでした。

被害男性の親戚
「家からあまり出ないように、鍵かけてと言われて」

──クマが入っていると聞いて？

被害男性の親戚
「それは驚くわ、やっぱ」

クマは机の上にあった食べ物を食い荒らしていたということです。

市などは24日午前11時半から花火を使った“追い払い作戦”を開始。鳴り響く激しい音に驚いたのかクマは一度、民家から外に出てきたといいますが、今度はすぐそばにある別の家の小屋に侵入し居座りを続行。午後3時半ごろ、麻酔で眠らせることでクマを捕獲したということです。

人里での目撃情報が各地で相次いでいるクマ。喜多方市では今月2日と4日、空き家にクマが居座り、市などが追い払っていました。当時は最高気温が10℃を超え、雪もまだ積もっていませんでしたが、今は本格的な冬。となると…

──雪積もっている時期にクマ？

被害男性の親戚
「ないないない。それはない」

──初めて？

被害男性の親戚
「初めて。普通なら冬眠しているけどな、冬は」

冬眠していてもおかしくないクマの出没に、近所の人も驚きを隠せない様子。

専門家からみても…

クマの生態に詳しい　岩手大学農学部・山内貴義准教授
「雪も降って本来なら冬眠してなきゃいけない時期に、民家の中に入ったのは、かなり特異的な例かなと」

考えられる理由の1つは「エサの状態」です。

岩手大学農学部・山内貴義准教授
「今年はエサが比較的多く山にあって、食べ物がずっとある状態だとクマはずっと食べ物を探して食べている。冬眠は遅れる」

山の中にエサが豊富なことが冬眠の遅れにつながっているのでは、といいます。そして、もう1つの理由は…

岩手大学農学部・山内貴義准教授
「人慣れした個体、民家周辺をうろちょろした個体だと、本当に民家にかなり近いところで冬眠する可能性もある」

本来、山奥で冬眠するクマ。人里に慣れた個体が、食料に近い空き家や倉庫などを冬眠の場所に選ぶこともありうるということです。クマは嗅覚が非常に優れているため、ゴミを外に放置しないなど、クマを近づけない対策も大切だということです。