死者2人 心肺停止16人 不明も 熊本
熊本県に降った大雨で、球磨村の特別養護老人ホーム「千寿園」が浸水し、入所者14人が心肺停止の状態で見つかりました。今回の大雨による熊本県の死者は2人となったほか、心肺停止が16人、重体が1人、行方不明が9人となっています。
熊本県によりますと、球磨村渡の特別養護老人ホーム「千寿園」が球磨川の氾濫によって浸水し、施設内にいた入所者14人が心肺停止の状態で見つかりました。また、3人が低体温症の状態ということです。千寿園のすぐ近くには、球磨川の支流が流れています。
千寿園は通所も含めた介護サービスを提供していて、入所者の定員は70人ですが、当時施設内に何人がいたかはわかっていません。
熊本県では、深夜から朝にかけて発達した雨雲が次々に県の南部を中心に流れ込みました。人吉市や水俣市などで1時間に100ミリを超える猛烈な雨が数時間にわたって降り続き、気象庁は午前4時50分、県南部に大雨特別警報を発表しました。大雨特別警報は、7時間後の午前11時50分に大雨警報に切り替えられましたが、熊本県の降り始めからの雨量は水俣市で500ミリに達したほか、各地で400ミリを超えました。
また、芦北町によりますと、芦北町佐敷で80代の女性の死亡が確認されました。
また、心肺停止の状態で見つかった津奈木町福浜の80代男性の死亡が確認されました。
一方、午前6時前に球磨村で氾濫した球磨川は、その後氾濫場所が拡大し、国土交通省によりますと、人吉市で堤防の決壊が確認されたほか、上流域から下流域までのあわせて10か所で氾濫がおきました。このため球磨川の流域では、広い範囲で住宅などが床上まで浸水しています。
人吉市や芦北町などでは、停電や断水も発生していて、それぞれの自治体では、5日朝から給水車を出すことにしています。
また、球磨村では4日午後8時現在、97%にあたる2450戸が停電していて、九州電力が状況を確認しています。