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“GoTo”来週実施? 専門家から批判も

2020年7月13日 20:53
“GoTo”来週実施? 専門家から批判も

13日、東京で新たに119人の新型コロナウイルス感染が確認されました。

感染者の数が増えるとともに、若者だけではなく幅広い世代にも広がりをみせはじめています。注意点を詳しく解説します。

■「舞台」と「保育園」でクラスター

13日の東京の新たな感染者は119人。11日は206人。12日は206人。

12日まで4日連続で200人を超え、10日は243人と過去最多を更新しています。感染経路不明者も100人前後で推移しており、約半分が経路不明という状況です。

週末から13日にかけて複数のクラスターも確認されました。

1つ目は「舞台」クラスターです。

主催者によると、新宿で公演していた舞台で主演の山本裕典さん(32)ら、30人の感染が確認されています。また、この舞台で原案を担当した、映画コメンテーターの有村昆さん(44)も新たに感染したことが分かり、入院しているということです。

2つ目は「保育園」クラスターです。

東京都によると、文京区立の保育園で、これまでに園児19人を含む25人の感染が確認されました。さらに12日は、中野区の保育園や世田谷区の幼稚園児の感染が確認されています。

また、家族間や職場内での感染も目立ってきています。

家族間では、生後2日目の赤ちゃんが陽性だと分かりました。お母さんが出産時にPCR検査を受けて陽性でした。生まれてから赤ちゃんもPCR検査をしたところ、陽性だったというケースです。 

さらに職場内感染もよく伝えていますが、居酒屋の店員から客に感染し、その客が会社で同僚に感染させる、といった事例が最近よく見られるようになったと東京都が警戒を呼び掛かけています。

こうした事態に、感染症学が専門の国際医療福祉大学成田病院感染制御部・松本哲哉主任教授は「市中感染はすでに広がっている。普段の生活の中で感染するリスクがある」ということを憶えてくださいということです。

年齢別でみると、20・30代が多いのは変わらずですが、40代以上も増えてきています。

12日の感染者を年代別でみてみると、「40代が20人」「50代が9人」「60代が11人」「70代以上が12人」と、40代以上で4分の1を占めています。

東京都は「若い人より重症化するリスクが高くなるため、警戒・注視していかないといけない状況」としています。

■埼玉県で踏み込んだ“休業要請”

大阪も感染者が増えています。12日は緊急事態宣言解除後、最も多い32人の感染が分かりました。大阪府独自の基準「大阪モデル」で『警戒』レベルに達したとして、通天閣に黄色信号が灯りました。

吉村府知事も「“夜の街関連”で増えてきているという事実がでてきて傾向としては似ている。このまま対策をとらなければ東京のようになっていくだろう」と呼びかけ、大阪府では繁華街のミナミでPCR検査を受けられる場所を設置するということです。

また、千葉県でも12日、緊急事態宣言解除後、最も多い31人となりました。神奈川県では11日に34人。これも緊急事態宣言後、最も多いです。埼玉県も増加傾向で、12日31人、11日35人。

このように首都圏の感染者が増加し、深刻化してきています。経済活動の再開とともに、東京と他県の往来も増えていて、感染者が増加傾向にあります。

そんな中、埼玉県が一歩踏み込んだ対策を打ち出しました。

キャバクラやホストクラブなど、接待を伴う飲食店で感染対策が徹底されていない店に対し、13日から休業要請をしました。さらに、対策が不十分な店への「利用自粛」をこれまで行っていましたが、夜の繁華街に限っていたのが、今回はすべての業種に対象を広げるという措置をとりました。

こうした状況に西村経済再生担当大臣は「首都圏が一体で取り組むことが大事。感染状況をみながら休業要請も考えていかなければならない」としています。

■どうなる?Go To キャンペーン
そんな中、Go To キャンペーンが22日から始まります。落ち込む国内観光を盛り上げる目的は理解できますが、この状況で行っていいのかと悩みます。

こうした疑問に西村大臣は会見で「(Go To キャンペーンは)当然こうした首都圏での感染が広がっていることには注意をしながら進めていかなければなりません。体調が悪い人は外出や県をまたぐ移動は控えてほしい。今は感染防止策と経済活動を両立する時期だ」と述べました。

これに対し、東京の小池知事は「(陽性者の中には)無症状の方もかなり含まれていることが分かってまいりまして、Go To キャンペーンがこれから始まろうとしている中で、その辺の整合性を国としてどうとっていくのか。むしろ国の問題だと思います」と述べています。

つまり、感染が拡大している中でGo To キャンペーンをやると整合性が合わない、これは国の判断で国の問題だ、ということです。

Go To キャンペーンの前倒しについて、国際医療福祉大学成田病院感染制御部・松本哲哉主任教授は「タイミングが悪い。感染者の増加を加速させる可能性がある」と批判しています。

では、私たちはどうすればいいのか、という問いには「キャンペーンを利用したいのであれば、感染者が少ない地域間で旅行する。東京の人は、都内の移動に使う方がいい」とのことです。

どういった場所で感染が拡大しているのかを自分で気をつけて見ていくこと、そして自主的に感染対策に努めるしかない、そんな状況です。

2020年7月13日放送 news every.「ナゼナニっ?」より