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政府が検討する新指標 3つのステージとは

2020年7月29日 20:47
政府が検討する新指標 3つのステージとは

東京では29日、新たに250人の感染が確認され、28日に続き200人超えとなりました。全国的にも感染が拡大する中、政府は地域ごとに状況を3つのステージに分ける「新たな指標」を設け、医療提供体制などをチェックする案を検討していることがわかりました。

■政府が検討する「新たな指標」 3つのステージとは?
 
政府が新型コロナウイルスの感染対策として、「新たな指標」を検討していることが29日、分かりました。 まだ検討段階ですが、新たな指標は、
地域ごとに 

・60歳以上の入院状況
・重傷者の数 
・ベッドの占有率 

などの指標を見て医療提供体制などをチェックする案が検討されています。そして、その指標をもとに、状況を以下の3つのステージに分けます。 
 
ステージ1:感染者が増加している現在の状況
ステージ2:クラスターなどが多く発生し、医療提供体制に支障が出てくる段階
ステージ3:緊急事態宣言を出すような事態
 
この新しい指標を参考に各都道府県知事が判断して、休業要請などの対策をとれるようにするものです。 
 
専門家としては、数値だけで感染の状況を判断するのは難しいものの、何らかの指標は必要だということで、31日に開かれる予定の政府の分科会で提言を受けて検討される見通しです。 
 
■「夜の街」より「家庭内」 都内の感染経路
 
東京では29日、新たに250人の感染が確認されました。28日に続き200人超えとなり、21日連続の100人以上となりました。
 
29日の感染者の内訳を年代別で見てみます。 
20代がちょうど100人。30代が60人で、次に多いのは40代の38人。50~60代の感染も増えてきました。もう感染者は若者だけではないことが再確認できます。 
 
28日の感染経路を詳しく見ていくと、夜の街以外の感染も増えていることが分かります。一番多いのは「家庭内」で38人。次いで多いのは「会食」。「夜の街」は3番目でした。 
「家庭内」では、妻から30代の夫と10代以下の子ども3人へ感染した例や、孫から80代の祖父への感染した例もあります。家庭内だと同居しているため感染を防ぐのは難しく、高齢者に感染させるリスクもあります。 
 
「会食」では、30代男性が7~8人で飲み会をして感染したということです。一方で、2~3人の会食での感染も多かったということです。
 
■病床は半分埋まる 「調整中」が620人
 
東京の感染者が高止まりする中、心配なのが医療体制のひっ迫ですが、現在はどういう状況なのでしょうか。 
 
28日時点で、都内で入院している患者の数は1209人です。そのうち、重症の人が徐々に増えてきていて、21人となっています。 これに対して、確保されている病床数は2400。約半分の病床が埋まってきていることが分かりますが、東京都は病床数を2800まで増やすとしています。 そして、宿泊療養している人は213人。自宅で療養している人が483人です。ただ、 「調整中」の感染者が620人と多いのが気になります。
 
東京都の担当者によると、病院や施設に入れなくて待っている人はいないということです。 
この「調整中」の中には色々な人が混ざっていて、家庭の事情や施設側の都合などで「あす入院/宿泊施設に入る人」や「入院などの準備中の人」など、今日すぐに入院というわけにはいかない人がかなりいることが分かります。 
 
一方で、軽症や無症状の人が入る宿泊施設については、菅官房長官から29日、次のような発言がありました。 
 
「一部の自治体において、宿泊施設の確保が十分でない状況にあることは承知しています。必要な費用については、国として全額を交付金で支援しており、早急に確保を求めていきたい」 
 
これに関して、28日、東京都の小池知事は私たちのインタビューにこう反論しました。 
「いわゆる宿泊療養のホテル、あす2件オープンします。今回(宿泊)療養施設が2000床(室)、これで確保できているということで、病床の圧迫にはならないと思います」 
 
■宿泊療養のホテルは足りてる?
 
28日の時点で、東京都で宿泊療養している人の数は213人です。では、実際のところホテルは足りているのでしょうか。 東京都の宿泊施設は7月1日の時点で2865室ありました。ところが、そこからどんどん減り、7月中頃には371室に減っています。 
 
都の担当者は「はっきりとした理由は申し上げられないが…」としたうえで、ホテルとの契約期間満了のタイミングだったことを理由の一つにあげました。5月は感染者が減ってきたタイミングだったので契約を終了したということです。ただ、それと平行して新たなホテルとの契約の準備も進めていた、といいます。 
 
東京都は29日・31日にさらに3つのホテルを新たにオープンする予定です。すると、2148室まで部屋まで部屋が増えるということです。ただ、使った部屋の換気や消毒などの関係で、実際に受入可能なのは1260人だといいます。
 
いま、全国的に感染者は急増している状況ですが、入院が必要な重症患者は少し遅れたタイミングで増えてくると言われています。今は病床に余裕があるように見えても、実際に大勢の患者を受け入れるには、それなりの準備時間や医療スタッフの確保が必要だということを合わせて考えていく必要があります。 
 
2020年7月29日放送 news every.「ナゼナニっ?」より