【解説】福島県会津地方の檜枝岐村で震度5弱の地震 この地域でおきる地震活動は? 豪雪地帯の地震、注意点は?
1月20日から26日までの期間、国内では震度1以上の地震が108回ありました。
▼21日午前3時14分ごろ、岩手県一関市で震度3の地震がありました。震源は宮城県沖、地震の規模を示すマグニチュードは4.4、震源の深さは69キロでした。
▼23日午前2時49分ごろ、福島県会津地方にある檜枝岐村(ひのえまたむら)で震度5弱を観測する地震がありました。この地震では新潟、栃木、群馬でも震度3となりました。震源は福島県会津、地震の規模を示すマグニチュードは5.2、震源の深さは4キロでした。
この檜枝岐村では、その後も地震が相次いでいます。気象庁によりますと、26日午後3時までに震度1以上の地震は最大震度4を含め、80回観測されています。
会津地方では1月21日頃から、1時間に10回以上の地震がおきる時間帯があるなど、地震活動が次第に活発になりました。そんな中、23日には震度5弱の地震が発生し、その時間帯は1時間に100回を超える地震もおきています。
その後、次第に地震は減ってきていますが、普段よりは多い状況です。この付近の地震活動は長引くことがあり、2001年の1月の地震活動では約2か月ほど続きました。
「震源の深さ4キロ」とかなり浅い場所でおきたものでした。内陸部でおきる震源の浅い地震は、その後も地震活動が続くことが多くあります。気象庁は1週間程度は同じ規模の地震、最大震度5弱程度の地震に注意を呼びかけています。
福島県でも特に内陸部にある檜枝岐村は、県内有数の豪雪地帯で特別豪雪地帯となっています。地震がおきた23日も1メートルを超える積雪となっていました。
冬の積雪期の地震では落雪や雪崩の発生に注意が必要です。また落雪などによって、普段は通れる避難路が通行できなくなっている可能性もあります。
赤丸は今月21日以降の地震で、灰色の丸は過去の地震です。
地震がおきている檜枝岐村は南側に栃木県日光市、群馬県片品村と3つの県境付近にあり、過去にも地震が多く発生しています。火山との関係ですが、燧ヶ岳(ひうちがたけ)という標高2356メートルの活火山があります。尾瀬を代表する山で福島県最高峰、日本百名山になっています。
ただ、この山の最後の噴火は1544年におきた水蒸気噴火とみられていて、気象庁が現在、24時間体制で監視する火山には入っていません。気象庁も、今回の地震の場所、メカニズムなどから火山が影響している可能性は無いとしています。
また、国は長さ20キロの以上の活断層ではM7以上の大きな地震がおきる可能性が高い「主要活断層」として公表していますが、檜枝岐村にある活断層はそれには該当していません。しかし、これまでも、「主要活断層」以外でも大きな地震が起きたケースは多くあります。
この図の縦軸は発生した地震の大きさ、横軸は1995年以降の時間経過を示したものです。このエリアでは大きく3つ地震が集中しておきてる場所があります。
▼北側のエリアでは、M1~M2程度と小さな地震が中心ですが、1995年以降は頻繁におきています。
▼今回の地震がおきているエリアは2011年以降、地震活動が多くなってきました。今回の地震は、これまでの中でも最大規模のものとなっています。
▼一番南のエリア、3県境付近で2011年以前は、ほぼ地震活動がみられませんでした。東日本大震災による影響で、地震活動が多くなったエリアとみられています。震災直後はM4からM5クラスの地震もおきていましたが、ここ最近は発生頻度は低くなってきています。