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【解説】元日の能登半島地震以降2000回以上の有感地震が発生している能登半島周辺、11月には石川県西方沖を震源とする地震も-新たな震源には何が?

2024年12月9日 22:15
【解説】元日の能登半島地震以降2000回以上の有感地震が発生している能登半島周辺、11月には石川県西方沖を震源とする地震も-新たな震源には何が?
元日におきた能登半島地震以降、周辺では2000回を超える有感地震がおきています。そんな中、11月下旬に震度5弱の地震がありました。この地震の震源は「石川県西方沖」これまでとは異なる場所での地震です、その特徴は?周辺で注意すべき地震活動は?社会部災害担当・中濱弘道デスクが解説します。【週刊地震ニュース

■愛媛県や日向灘を震源とする地震で震度3

12月2日から8日までの期間、国内では震度1以上の地震が47回ありました。

▼3日午前4時51分ごろ
愛媛県今治市で震度3の地震がありました。震源は愛媛県東予、地震の規模を示すマグニチュードは3.9、震源の深さは15キロでした。

▼4日午後7時11分ごろ
さいたま市や川口市などで震度3の地震がありました。震源は茨城県南部、マグ二チュードは4.3、震源の深さは49キロでした。

▼6日午後2時25分ごろ、宮崎市で震度3の地震がありました。
震源は日向灘、マグニチュードは4.5、震源の深さは34キロでした。

■能登半島地震からまもなく1年 12月上旬までに2000回超の有感地震

石川県能登地方を震源とする大地震の発生から、まもなく1年です。周辺では今も活発な地震活動が続いています。

有感地震は次第に減少してきていますが、12月7日までに2108回を数えています。そんな中、11月26日午後10時47分におきた地震では、輪島市と志賀町で震度5弱の揺れを観測しました。震源は石川県西方沖でマグニチュード6.6、震源の深さは7キロでした。

石川県で震度5弱以上の揺れを観測したの6月3日以来のことです。この地震の震源は「石川県西方沖」と発表されましたが、気象庁は地震情報を出す中で能登半島の付け根あたりから、石川県加賀地方の沖合の海域を「石川県西方沖」として発表しています。

■能登半島北岸の活断層沿いに広がる地震活動がさらに西側に

能登半島周辺の地震の震源がどこにあったかを示した図です。元日の地震以降の地震活動は能登半島に沿って海域、陸域だけでなく、東側の佐渡方面、さらに能登半島西側の海域にも広がっています。

青い線は活断層を示していますが、政府の地震調査委員会は元日におきた能登半島地震は、能登半島沿いにある、「能登半島北岸(ほくがん)活断帯」が引きおこしたと評価していて、これに沿うように多くの地震がおきています。

そして秋頃からは、能登半島の西方沖でも地震が増えてきた場所がありました。一連の地震活動領域の中で西の端にあたり、11月26日に震度5弱を観測する大きな地震がおきたエリアです。その後の余震活動は南北方向に広がり、付近にある海底の活断層に沿うようなエリアでおきています。

今後、地震調査委員会がこの活断層との関係について評価分析をおこなうことになります。

■新潟・上越沖~兵庫沖にはM7以上をおこす「海域活断層」が25“すぐ来る津波”に注意・警戒

今年8月に地震調査委員会が、日本海側の新潟県上越沖から兵庫県までの日本海沿岸にある長さ20キロ以上の活断層、25断層を公表しています。長さ20キロ以上というのはマグニチュード7以上の地震をおこす可能性がある「活断層」です。

1月1日の地震をおこしたのは「能登半島北岸断層帯」ですが、11月の地震活動域のあたりにも羽咋沖の活断層があります。

さらに、能登半島と佐渡島の間にも、マグニチュード7後半の大地震をおこす可能性がある活断層があります。また「上越沖断層帯」は想定される地震の規模はマグニチュード8前後になるおそれがあります。

一般的に大きな地震がおきると、その周辺ではこれまでと異なる力がかかり、地震が起きやすくなることもあります。

日本海側沿岸にある活断層でおきる地震の特徴は、陸地に近いため地震発生後すぐに津波がやってくることです。今後も地震対策を万全にして備えてください。

最終更新日:2024年12月9日 22:15