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【解説】八丈島近海震源の地震で震度3 関東など広範囲で揺れ 八丈島近海の地震活動は?

2024年7月23日 6:31
【解説】八丈島近海震源の地震で震度3 関東など広範囲で揺れ 八丈島近海の地震活動は?
八丈島近海を震源とする地震では伊豆諸島・三宅村で震度3の揺れに、さらに東日本の広範囲でも震度1以上の揺れとなりました。伊豆諸島では、太平洋プレートが沈み込みによる地震のほか、火山性の地震も多いのも特徴です。社会部災害担当・中濱弘道デスクが解説します。【週刊地震ニュース

■期間中の最大震度は4 震度1以上の地震は35回

7月15日から21日までの期間、国内では震度1以上の地震が35回ありました。

▼16日午後10時19分ごろ、茨城県水戸市や土浦市、栃木県真岡市などで震度3の地震がありました。震源は茨城県南部で、地震の規模を示すマグニチュードは4.2、震源の深さは65キロでした。

▼18日午後8時7分ごろ、東京都三宅村で震度3の地震がありました。震源は八丈島東方沖、マグニチュードは5.7、震源の深さは100キロでした。

▼19日午後2時27分ごろ、岩手県二戸市で震度4の地震がありました。震源は岩手県内陸北部、マグニチュードは4.0、震源の深さは10キロでした。

▼20日午後8時15分ごろ、茨城県笠間市で震度3の地震がありました。震源は茨城県沖、マグニチュードは5.0、震源の深さは36キロでした。

▼21日午前5時46分ごろ、岩手県北上市、一関市、宮城県石巻市、気仙沼市で震度3の地震がありました、震源は宮城県沖、マグニチュードは4.4、震源の深さは60キロでした。(速報値)

▼21日午後1時27分ごろ、北海道根室市、釧路町、浜中町で震度3の地震がありました。震源は釧路沖、マグニチュードは5.4、震源の深さは30キロでした。(速報値)

■岩手内陸北部の地震活動は? 1986年には数か月にわたり群発地震も

19日におきた地震は二戸市で震度4となりました。震度3を観測した場所は無く周辺の自治体では、震度2や1の揺れとなっています。今回の地震の震源は一戸町中心部の左下にありますが、この付近で南北方向にかけて、地震活動が多い場所となっています。

1986年にも、まとまった地震活動がありました。5月26日にはマグニチュード5.0の地震が発生し震度3を観測しています。当時は現在に比べて震度観測点が少なかったため、最大震度は3でしたが、一般的にマグニチュード5程度の地震では、直上で震度4や5弱程度の揺れになることもあります。

■八丈島近海の地震では震度3に

この地震では伊豆諸島の三宅村で震度3を観測したほか、東北地方から関東甲信、北陸、東海地方の広いエリアで揺れを観測しました。震源が深さが100キロと深かったため、広範囲で揺れを感じました。

八丈島周辺を断面図で見てみると、東側から太平洋プレートが沈むこみ、プレート境界付近などで地震が多くなっています。今回の地震は震源が深く、揺れが太平洋プレート沿いに伝わったため、東日本の広範囲で揺れを観測することになりました。

一方で、島の近くの浅い場所にも地震が多発しているところがあります。伊豆諸島では火山島が多く、浅い場所では火山性の地震が多く発生する特徴があります。