久留里線についてJR東日本が千葉県と君津市に協議申し入れ 乗客大幅減少…バス転換も選択肢か
千葉県の房総半島を走るJR東日本の久留里線(木更津・上総亀山間 全長32.2キロ)の一部、久留里・上総亀山間(9.6キロ)について、JR東日本千葉支社は9日午後3時半から記者会見を行い、今後の新たな総合的な交通体系の構築について今月8日付で、地元の千葉県と君津市に対し協議の場の設置を申し入れたことを明らかにしました。
JR東日本は自治体との議論の前提に鉄道の廃線があるわけではないと説明しています。
ただJR側の申し入れの中では、久留里線の現状について乗客が大幅に減少し、鉄道の特性としての大量輸送のメリットを発揮できていないとしていることから、鉄道からバスなどへの転換も選択肢として今後、協議されるものとみられます。
今回申し入れの背景としてJR東日本は、同区間は急速なモータリゼーションの進行で利用者は1日あたり55人と1987年のJR発足時から約9割減と大幅に減少していて鉄道の特性としての大量輸送のメリットを発揮できていない。沿線地域の将来の人口減少が予想される中、今後の久留里線の利用者数の減少が予想され、今後も持続可能な公共交通の構築が求められているなどと説明しています。
同区間では現在、1日下り8本上り9本の列車が運行されています。
2022年7月、JR東日本は1キロあたりの1日の平均乗客数が2000人未満の35路線66の区間の収支について発表しましたが、久留里線の久留里・上総亀山間の2019年度の収支率は66区間中ワーストとなっていました。
運輸収入は約200万円だったのに対し、営業費用は約3億4400万円かかっていて、100円稼ぐのにいくらかかるかを示す営業係数は1万5546円となっていました。