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天皇陛下の新年ビデオメッセージ:記者解説

2021年1月1日 5:42
天皇陛下の新年ビデオメッセージ:記者解説

新年にあたり、天皇陛下が初めて皇后さまとともにビデオメッセージを寄せられました。今年は新型コロナウイルスの感染拡大により、新年一般参賀が開催されないことの代わりとなるものです。ビデオメッセージについて、宮内庁担当の笛吹記者が解説します。

6分45秒にわたるビデオメッセージでした。天皇陛下は、去年大きな被害となった7月豪雨と新型コロナウイルスに触れ、医療従事者らに敬意と感謝を述べられました。

その上で、人類がこれまで幾度も疫病や自然災害に見舞われながらも乗り越えてきたことをふまえて、将来への確固たる希望を胸に、皆が互いに思いやりを持って、助け合い、支え合いながら、進んでいくことを願うというメッセージを寄せられました。

Q:どうして新年にビデオの形でメッセージを寄せられることになったのでしょうか。

毎年新年1月2日には、皇居で新年一般参賀が行われ、天皇皇后両陛下が皇族方とともに宮殿のベランダに立ち、陛下がお言葉を述べられています。

今年は、新型コロナウイルスの感染拡大により、一般参賀は行われないため、ビデオメッセージの形での新年のお言葉となりました。今の陛下が、国民に向けてビデオメッセージを寄せられるのは初めてで、皇后さまにとっても初めてのことになりました。

去年、新型コロナの感染拡大が始まってから、宮内庁では、天皇陛下が国民に向けてビデオでメッセージを送られることも検討されたといいます。しかし、どこが感染拡大のピークになるか先が見えない中で、政府の緊急事態宣言がいつ出されるかが焦点となっており、政治に関与することにならないかとの懸念もあり、見送られた経緯があります。

Q:1日の新年の予定はどうなっているでしょうか。

陛下は、このビデオメッセージが公開された1日午前5時半から、皇居にある宮中三殿で伊勢神宮などに向かって拝礼する「四方拝」に、続いて「歳旦祭」という宮中祭祀にのぞまれています。

このあと、皇居・宮殿では、規模を大幅に縮小して、新年の行事が行われます。皇族方も参列されます。