受験目前に…予備校「ニチガク」が閉鎖「共通テスト」まで2週間 受験生ら困惑
設立から40年以上の歴史がある大学受験予備校が年明けに突如、閉鎖されました。利用していた受験生からは、困惑や不安の声が聞かれました。
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大学入学共通テストまであと2週間。ラストスパートの時期ですが、東京・新宿区の大学受験予備校「ニチガク」の教室が4日に閉鎖されました。本来であれば冬期講習があるはずが…
高校2年生
「冬期講習を普通に受けに行こうとしたら、警察沙汰みたいになってて『え、何?』って」
高校1年生
「ぐちゃぐちゃな状態で大混乱」
入り口で撮影した動画に映っていたのは警察官です。
受験を目前に控える高校3年生は…
高校3年生
「嫌ですよ、受けたい授業あったし、それはまぁ…嫌かな、嫌ですね」
設立から40年以上の歴史を数える「ニチガク」。2023年の大学合格率は9割を超え、東京大学や早稲田、慶応などの難関大学にも多数の合格者を輩出していたといいます。(※第二志望までの合格率)
強みにしていたのは「少人数制と、それゆえの面倒見の良さ(HPより)」。しかし、今回は受験本番の直前に教室閉鎖となったのです。一体、何があったのか。
入り口の張り紙には“破産申立て”などの言葉がありました。代理人弁護士によると「ニチガク」の運営会社は、生徒数の減少などで去年、資金難に。負債総額は約1億円にのぼり、今回の事態に至ったといいます。
1月18日と19日は、大学入学共通テストです。
高校3年生
「言葉が最初読み込めなくて、え?みたいな。指導とかは別にいいから(勉強する)場所だけでも欲しかった」
“勉強場所”を失った受験生。12月に通い始めたばかりという高校2年生は、支払った授業料がどうなるか、不安を抱えていました。
高校2年生
「受験前までの前払いで僕の場合は250万円ちょっと、一括で払った。2か月目以降は1日も行ってないので、全額返ってきてくれないと許せない」
取材中には、非常勤講師を務める男性に遭遇。
ニチガク非常勤講師
「きょう補講の予定だったので。連絡がなかったので来てみたんですけど…」
閉鎖の連絡は来ていないといいます。ただ少し前から“異変”は感じていて…
ニチガク非常勤講師
「半年以上前から危ないだろうと、内々では言っていた。去年の9月分かな、給与遅配が始まってましたから、秒読み状態でした」
別の非常勤講師も…
ニチガク・非常勤講師 森川晶雄さん
「これ以来給料は下りていません」
11月、12月分の給与は、いまだ支払われず。
ニチガク・非常勤講師 森川晶雄さん
「ほかの生徒との間に差をつけられる不利な状況を作ってしまった。あまりにもひどい。受験生どうすればいいんだ」
ニチガク側は…
ニチガク側(代理人弁護士より)
「受験生や保護者に対しては、このような時期に非常にご迷惑をおかけして申し訳ありません」
代理人弁護士によると、給与未払いや返金についての見通しは立っておらず、現在は破産申し立てに向けて調整しているということです。