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処理施設で火災…家庭ごみ回収できず 「実家に持っていく」住民も 埼玉・川口市

2025年1月10日 20:31
処理施設で火災…家庭ごみ回収できず 「実家に持っていく」住民も 埼玉・川口市

埼玉県川口市のごみ処理施設で火災が発生し、家庭のごみが回収できない事態が起きています。住民の中には「実家にごみを持ち込む」という人もいました。

    ◇

埼玉県第二の都市、川口市で起きた“緊急事態”。

「きたねぇな、みたいな」
「ほんと困る」
「え? きょう回収しない?」

住民を困らせているものは、大量にたまった家庭ごみです。川口市内のあちこちで、収集場所からごみがあふれ出し、悪臭も漂っていました。回収されないごみで半分ほどうまってしまっている歩道もありました。

こうした状況に川口市民は…

「これがどんどん続いていくとカラスが覚えちゃうので」

しかし、ごみをあさるカラスの姿もありました。

   ◇

いったいなぜ、街中にごみがあふれる事態になったのでしょうか。

川口市 奥ノ木信夫市長
「体制の再構築のため、1月9日、10日のごみ収集を停止いたします」

9日と10日にごみの収集ができない事態に追い込まれていたのです。原因は、1月3日に市内にあるごみ処理施設で発生した火災です。10日に訪ねてみると、ごみ収集車が停まるはずの場所は閑散としていました。

朝日環境センター 平山英俊所長
「火災によってごみの焼却が現在できない状況」

原因はごみの中に入っていた、リチウムイオン電池やガスボンベなどの可能性があるということです。

再開のめどについては…

朝日環境センター 平山英俊所長
「最低でも数か月はかかると推測」

市内にあるごみ処理場は2か所。この事態を受け、ごみは残る一つの施設に集約することになったということなのですが、処理できていないごみが積み上がり、まるで壁のようになっていました。そのごみの量は…

戸塚環境センター 梨子木芳夫所長
「今のごみの搬入量は通常の約3.7倍」

施設の処理能力を超え“パンク状態”になったのです。そのため、市長は9日と10日の回収中止を宣言したのです。

戸塚環境センター 梨子木芳夫所長
「市民のみなさまには少しでもごみの排出の先送りをしていただきたい」

この事態に川口市民からは次のような声が聞かれました。

川口市民(30代)
「普段ゴミ捨てさせてもらってるありがたみがわいた」

8日にごみを出したばかりの女性は…

川口市民(80代)
「今、ひ孫が来てるから(ごみが)ものすごいのよ」

自宅を見せてもらいました。

川口市民(80代)
「ここが生ゴミ。うちは中に置かないからまだいいけど、マンションとかだったら家の中置かないといけないからね。ベランダとかにね」

このままでは家にごみがたまっていく一方。そこで、対策を取る人たちもいました。ゴミ袋を持って駐車場に向かう女性がいました。その理由は…

川口市民(30代)
「実家に持っていきます。川口市が回収できないから、川口市外で回収してもらおうと」

3日分のごみを都内の実家に持っていくといいます。

川口市民(30代)
「ずっと置いておくわけにもいかないし、一般ごみは必ず出るので」

別の女性は…

川口市民(70代)
「私は出さないで冷凍してぎゅっと。冷凍しちゃうんです。ごみを冷凍庫に入れちゃう」

なんと、ごみの回収が再開するまで冷凍庫で保管するといいます。

川口市民(70代)
「夏じゃなくてよかったですよ。夏だったら冷凍庫入れるのも抵抗ありますね」

ごみを出さないよう工夫を凝らしますが、不安も…

川口市民(70代)
「あそこ(ごみが)3つくらいしか入らないじゃないですか。あとは…冷蔵庫? 外に出しておくのは抵抗あるんですよね」

一刻も早い再開が求められるごみ収集。川口市によると、13日から再開する予定だということです。

最終更新日:2025年1月10日 20:31