【解説】夏の終わりに注意 “寒暖差疲労”で頭痛やけん怠感が…新型コロナの症状と区別しにくいことも
ここ数日、涼しくなってきました。そんな今の時期は、「寒暖差疲労」に注意が必要です。
◇寒暖差疲労チェック
◇新型コロナと区別しにくい?
◇耳と首にポイントが…
以上の3つのポイントについて、詳しく解説します。
東京都心は3日前の27日、気温が33.9℃まで上がりました。その後、涼しくなり、29日夕方には、最低気温18.6℃と9月下旬並みとなりました。
30日も涼しく、午後2時時点で25.6℃でしたが、31日は33℃まで上がる予想です。
このような、気温の変化が激しくなる時期に気をつけたいのが、「寒暖差疲労」です。通常、人間の体というのは、外の気温が高い時は熱を逃がし、低い時は熱を逃がさないように体温を一定に保とうと、自律神経を働かせます。
寒暖差が大きくなると自律神経が過剰に働いて、疲れがたまってしまいます。この状態のことを、「寒暖差疲労」といいます。「寒暖差疲労」になると、冷え症、けん怠感、頭痛、肩こりといった症状のほか、くしゃみや鼻水といったアレルギー症状もあらわれます。
寒暖差疲労は、どのような環境でなりやすいのでしょうか。
寒暖差疲労を専門とする、せたがや内科・神経内科クリニックの久手堅司院長によると、「気温差が7℃以上ある時は注意が必要」だそうです。そして、気温だけでなく、暖房・冷房によって起きる場合もあるそうです。
夏にエアコンがきいている部屋と暖かい場所を行き来するのは、自律神経にとってはジェットコースターに乗っているような状態だそうです。
体が出す“サイン”に気づくことも大事です。
□ 暑さ・寒さが苦手。
□ エアコンが苦手。
□ 周りの人が暑いのに自分だけ寒い。長袖が常に手放せない。
□ 顔・全身がほてりやすい。
□ 温度差が大きいと頭痛・肩こりなどの症状が出る。
□ 熱中症や近い状態になったことがある。
□ 季節の変わり目に体調不良になる。
□ 冷え症がある
□ 温度が一定の環境にいる時間が長い。
□ 代謝が悪い。体がむくみやすい。
久手堅院長によると、上記のチェック項目で当てはまるものが多いほど、「寒暖差疲労」の可能性が高いということです。
また、久手堅医師は発熱外来も担当していて、「『寒暖差疲労』は、けん怠感、鼻水、せきの症状が出る人もいて、新型コロナと区別がつきにくい」と話していました。中には、体温の調節がうまくできず微熱が出る人もいるそうで、専門医でも判断が難しいそうです。
では、寒暖差疲労か新型コロナか判断に迷ったら、どうしたらいいのでしょうか。特徴的なのが、「のどの痛み」と「38℃以上の発熱」です。このような症状がある場合は、新型コロナを疑った方がいいそうです。
実際に「寒暖差疲労」かな…と感じた時にやれること、対処法を紹介します。
(1)耳たぶストレッチ
血流がよくなり、自律神経を整える効果が期待できるということです。「耳たぶの少し上を水平方向に5秒から10秒引っ張って離す」、これを数回繰り返したり、耳を上下に動かしたりしてほぐします。気圧の変化に弱い人にも効果的だそうです。
(2)首温活
首は、自律神経機能として大切な役割を担っています。首が冷えると自律神経は緊張状態になり、血の巡りが悪くなって全身が冷えてしまいます。このため、蒸しタオルや温熱シートを活用して、首と肩の境目あたりを温めると効果的ということです。
(3)タオルを使った首ストレッチ
タオルを使って、首回りの筋肉をまんべんなくストレッチできます。後頭部にタオルをひっかけて、斜め上を向いてタオルを上に引っ張ります。この時、首はタオルと反対方向に力を込めて30秒キープします。今度は下を向いて、タオルを下に向かって30秒引っ張ります。これを繰り返し行うと、かなり効果が高いということです。
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体調を崩しやすい季節の変わり目に、ちょっとした体調の変化も見逃さないように、自分の体と向き合いながら乗り切りましょう。
(2022年8月30日午後4時半ごろ放送 news every.「知りたいッ!」より)