春や冬の台風はなぜ日本に近づかない?
18日(木)、フィリピンの東海上で今年初となる台風1号が発生しました。
フィリピンの東海上にあった熱帯低気圧が18日午後3時、台風1号になりました。昨年は台風1号の発生が5月12日と過去8番目の遅さでしたが、今年は平年より1か月程度早い発生となりました。台風1号は、今後はわずかに発達しながら西へ進み、フィリピンを通過する予想となっていて、日本列島に近づくことはないでしょう。
■冬や春の台風はなぜ日本に近づかない?
さて、台風というと梅雨の時期や秋のイメージが強いと思いますが、なぜ冬や春は台風が接近しないのでしょうか?実は、冬や春も台風自体は発生しているのです。ただ、日本に近づくための「通り道」や「台風を移動させる力」がないのです。
通常、日本に近づく台風は、高緯度で発生し、太平洋高気圧のふちをまわるように北上します。その後、偏西風に乗って近づくことが多いのですが、この時期に発生する台風は低緯度で発生するため、この辺りで吹いている東風に乗って西の方向へ進み、日本付近まで北上することはありません。
仮に北上をしたとしても、冬や春はまだ海水温が低いため、台風のエネルギー源となる水蒸気が得られず、急速に衰えてしまうのです。
■台風シーズンはまだ遠いが…
昨年は台風の発生数は決して少なくありませんでしたが、日本に上陸した台風はゼロでした。一方で、大東島地方から九州では台風10号の接近により記録的な暴風が吹いたりと、近年の台風はいろいろ極端になっています。
台風がまだ離れたところにあっても、間接的な影響により日本列島で大雨になることもあります。
天気予報やニュースなどで台風の発生情報を聞いたときは記憶にとどめておき、また、定期的に非常用持ち出し袋や避難所などを確認しておくといいでしょう。