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オンラインで被災地お見舞い 両陛下の思い

2021年2月22日 12:19
オンラインで被災地お見舞い 両陛下の思い

天皇皇后両陛下は1月27日、熊本県や4つの市町村とお住まいをインターネットでつなぎ、被災地を見舞われました。2020年の7月豪雨により、熊本県では、死者行方不明者67人という甚大な被害が出ました。両陛下は、被災状況をビデオで見たあと、被災した人や災害対応に尽力した人たちの話に耳を傾けられました。天皇陛下は、新型コロナウイルスもあり、子供たちに元気がなくなってきていると聞いて、「ご心配ですね」と子供たちの心のケアを気にかけ、皇后さまは、「大勢の方の救助に尽力されて、ありがたく感じております」と災害対応をねぎらわれていました。

――コロナ禍の中で初めてオンラインでの被災地お見舞いとなりましたが、どのようにご覧になりましたか?

オンラインによる交流は、2020年11月、新型コロナウイルス感染症の対応状況を視察するための、日本赤十字の4病院訪問から始まりました。その後、高齢者施設なども視察されるなどスピード感を持って進められています。ご訪問の狙いは「人々の中に入っていき、ねぎらい、話を聞き、励ます」にあります。直接の会話と、画面越しの会話では違うでしょうが、目を合せ、話に耳を傾け、心を寄せることはオンラインでも可能です。それがわかって、これから広がるだろうと思っていました。

――そして、この形が東日本大震災の被災地訪問にも生かされることになったんですね

はい。オンラインでの被災3県訪問が、両陛下の強いお気持ちで行われることになっています。今年は東日本大震災から10年の節目の年です。被災地に長く心を寄せたいという意向を示されてきた両陛下ですので、もちろん直接訪問したいという気持ちをお持ちでしょうが、出来ることからということなのだと思います。2月16日に予定されていた福島お見舞いは、13日に発生した地震のため当面見合わせることになりましたが、順次行われる予定です。両陛下と接した熊本の人たちも、喜び、元気づけられていましたから、積極的に進めてほしいです。

――今後の皇室の日程で注目はどういったことでしょうか?

2月23日、陛下は61歳の誕生日をむかえられます。例年、誕生日の前に行われる天皇陛下の記者会見が、注目です。今年は新年のビデオメッセージもありましたが、コロナ禍の中、改めてどんな思いを伝えられるのか。また、眞子さまの結婚問題についてお考えを示されるようなことがあるかも知れませんので、その内容も気になります。

【井上茂男(いのうえ・しげお)】
日本テレビ客員解説委員。皇室ジャーナリスト。元読売新聞編集委員。1957年生まれ。読売新聞社で宮内庁担当として天皇皇后両陛下のご結婚を取材。警視庁キャップ、社会部デスクなどを経て、編集委員として雅子さまの病気や愛子さまの成長を取材した。著書に『皇室ダイアリー』(中央公論新社)、『番記者が見た新天皇の素顔』(中公新書ラクレ)。