東京“1300人”試算も 解除後の医療は
緊急事態宣言の解除で気になるリバウンド。東大大学院の研究者が18日発表したシミュレーションでは、5月第2週の東京の感染者は1300人超。充実が課題の医療体制について、八王子や松本など独自の仕組みを整えた自治体もあり、検討と準備が急がれます。
■気の緩みと経済活動の回復で…
有働由美子キャスター
「緊急事態宣言の解除が決まりましたが、大事なのはその後です。東京大学大学院経済学研究科の仲田准教授と藤井特任講師のシミュレーションが18日発表されました。それによると、東京都の感染者が300人程度の状態で21日に解除された場合、気の緩みが生じて、4週間で昨年秋ごろの水準の経済活動になると、ゴールデンウイーク後の5月第2週には、再び1日に1300人を超える山が来ると試算されています。リバウンドが心配です」
廣瀬俊朗・元ラグビー日本代表キャプテン(「news zero」パートナー)
「ワクチン接種を急ぐのが大事かなと思います。私が住んでいる自治体でも、ワクチン用のコールセンターができました。とはいえ、われわれの世代への実施にはまだまだ時間がかかるので、結局、宣言解除されてもしばらくはライフスタイルは変えないほうが良いのかなと思います」
■八王子と松本の独自策 受け入れ円滑に
小栗泉・日本テレビ解説委員
「リバウンドの対策については5つありますが、カギを握るのは『医療提供体制の充実』です」
有働
「ずっとこれをやると言っていますが、具体的に何をやるのでしょうか」
小栗
「自治体によってはすでに整理されつつあります。まずは、以前にも『news zero』でご紹介した、東京・八王子市の『10daysルール』。発症から10日以上がたって症状が回復したものの、リハビリなどで自宅に帰れない患者さんを別の病院や介護施設に受け入れてもらい、空いた病床で新たな重症患者を受け入れることができるようになるシステムです。次に、長野県松本市の『松本モデル』。松本市と周辺の自治体には、コロナ患者の受け入れが可能な医療機関が7つありますが、例えば重症患者を受け入れる場合、人工心肺装置(ECMO)が必要な患者、子どもや周産期の妊婦、特に透析が必要な患者など、それぞれの患者をどの医療機関で受け入れるか、明確に決めています。これによって、入院がスムーズになったといいます」
■今こそ現場のアイデアを形に
廣瀬
「この2つの事例、素晴らしいなと思いましたが、どうしてこんなにうまくいっているのかというのが単純な疑問です」
小栗
「八王子の場合は、地域の中核病院の医師が提案したものを市がルール化し、感染対策の講習会を開くなどしてほかの病院などの賛同を得ました。国も患者の急増に備えて、こうした体制をあらかじめ決めておくよう、各自治体に指示するとしています」
有働
「医療体制が若干落ち着いている今のうちにやっておかないと、次の波に間に合いませんので、現場から出てくるアイデアやリーダーを、国や自治体がしっかりバックアップしていただきたいです」
(3月18日『news zero』より)