兵庫県知事選SNS運用めぐりPR会社など家宅捜索 狙いは…専門家「内部の物的証拠」
兵庫県知事選挙における斎藤知事陣営のSNS運用などをめぐり、7日、PR会社などが家宅捜索されました。今回の捜査の狙いとは。
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7日、取材に応じた兵庫県の斎藤元彦知事は、これまでと同じ言葉を繰り返しました。
兵庫県 斎藤元彦知事
「私としては公職選挙法に違反するということはない、という認識には変わりがありません」
兵庫県知事選をめぐり、PR会社にSNSなどでの選挙運動に対し報酬を支払ったとして、公職選挙法違反の疑いで刑事告発されている斎藤知事。7日、神戸地検と兵庫県警が、PR会社などの家宅捜索に入ったのです。
兵庫県 斎藤元彦知事
「必要な捜査や対応がされていると受け止めてはいます」
去年11月の“出直し選挙”で、「SNS」を積極的に活用し返り咲きを果たした斎藤知事。すると、再選の3日後、兵庫県内にあるPR会社代表の女性がネット上で…
PR会社の投稿より
「広報全般を任せていただいた」
PR会社がSNSアカウントの開設や運用戦略の立案などを行ったと公表しました。
ところが、総務省によると、SNSなどを利用した選挙運動の企画立案を業者に「主体的」に担わせ報酬を支払った場合、公職選挙法違反となり「買収」にあたる可能性があるということで、問題に。報酬を支払い、SNSなどでの選挙運動をさせたのかという点について、斎藤知事は…
兵庫県 斎藤元彦知事(去年11月)
「ポスターの製作などを依頼したのが事実」
──お金は払っている?
兵庫県 斎藤元彦知事(去年11月)
「そうですね、製作費として70万円ほど支払っている」
PR会社に支払ったのは、公職選挙法で認められているポスター製作などに対する報酬だと説明。PR会社の代表の女性からSNSに関する助言はあったもののSNSでの広報活動に対する報酬は支払っていないとしました。
では、SNS運用の「主体」となっていたのは誰なのか。
代表はSNSについて「私が監修者として、責任を持って、チームで協力しながら運用していた」と、「主体的」であることを示唆するような文章を投稿。選挙中の映像には、PR会社の代表とみられる女性が選挙カーの上で撮影している様子もありましたが…
兵庫県 斎藤元彦知事(去年11月)
「SNSなどに関しては斎藤・斎藤事務所が主体的にやっている。(PR会社代表は)ボランティアとして個人で参加されたと認識している」
PR会社の代表は個人としてボランティアでSNSの運用に参加していただけで、「主体」となったのは斎藤知事陣営だと説明していました。
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そうした中、去年12月、大学教授らが、PR会社が主体的に広報活動を行ったことは明らかだとして、斎藤知事とPR会社の代表を公職選挙法違反の疑いで刑事告発。捜査関係者によると、この告発を受け7日、神戸地検と兵庫県警がPR会社などの家宅捜索に入ったということです。
その狙いについて、専門家は…
公職選挙法に詳しい亀井正貴弁護士
「SNS戦術に対して報酬を払うかどうかについて、例えば見積もりや企画書、それからLINEやメールで(報酬を払う)やりとりをしていないか、PR会社で非常に重要と思われる内部の物的証拠を押さえようということ。(警察と検察)両方入る事案は珍しい。捜査態勢がかなり強まることを狙った」
神戸地検と兵庫県警は、押収した資料を分析するなどし、斎藤知事らの刑事責任を問えるかどうか慎重に判断する方針です。