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「きわめてスムーズ」大規模接種始まる

2021年5月24日 20:41
「きわめてスムーズ」大規模接種始まる

前例のない新型コロナウイルスワクチンの大規模接種が24日に始まりました。準備期間が限られていましたが混乱はなかったのか、現場とも中継をつないでお伝えします。

■直通エレベーターで…大規模接種東京会場の仕組み

大規模接種は、東京と大阪の会場で24日午前8時にスタートしました。使われているワクチンは21日に正式承認されたばかりのモデルナ社のワクチンです。24日は東京でおよそ5000人、大阪では2500人が予約をしています。

実際、どのように接種が行われているのか、東京会場の場合で見てみます。

1)会場に着いたらまず、屋外にあるプレハブの建物で検温や持ち物検査、受け付けを行います。

2)接種する場所は、15階建ての庁舎の2階、4階、7階、10階で、それぞれの階への直通のエレベーターを使って移動します。エレベーターにはそれぞれ「あか10F専用」lなどと色分けされた表示がされています。接種する人は、受け付けの際に渡されたファイルに書かれた色と同じエレベーターで指定の階へ向かいます。

3)エレベーターを降りたら、予診票に間違いがないか確認します。

4)次に予診へ進み、体調などの聞き取りが行われます。

5)問題がなければ、いよいよ接種です。

6)接種が終わったら「接種済証」が交付され、この時に2回目の接種日時が指定されることになっています。指定された日時で都合が悪い場合は、帰宅後に大規模接種のサイトで予約を取り直すことが出来ます。

7)接種後は15分くらいの経過観察を行い、全体でかかる時間は1人30分程度となります。

接種に来た人は、「全体の移動とか動きがきわめてスムーズで、ちょっと驚きました」「丁寧に案内していただいて、大丈夫でした」などと話していました。

■初日の様子は…東京会場から中継

大規模接種開始からまもなく8時間となりますが、どんな様子なのか。現場から近野宏明記者が中継で伝えます。

記者「きょうは最大能力の半分である5000人の予約が入っていましたが、その3分の2が経過した現在、大きなトラブルはありません。自衛隊としては、初日のきょうをこのまま乗り切ることができれば、この大規模接種の運営について大きな自信につながるとみられています」

Q: 中山防衛副大臣が、円滑な接種のために「ぜひ半袖で来て下さい」と言っていましたが、接種を受ける人はどんな格好でしたか?

記者「やはり半袖の方が多く見られました。きょう東京は暖かい日でしたので、半袖Tシャツの上にちょっと羽織ってくるというような出で立ちの方が多く、そのこともスムーズな接種につながっているとみられます」

Q: 接種は、各市町村でも受けることができます。みなさん、どのような理由でこの大規模集団接種を選んだのでしょうか?

記者「自治体の接種では、まだなかなか自分の番が回ってこなくて待ちきれないなど、とにかく一日でも早く接種を受けたいという声が多数聞かれました。接種会場の動線が高齢者の方には多少長いかなとも思ったのですが、見ているとやはり活動的で元気なシニアの方が中心だったように思います。だいたいの方が所要30分以内に収まっているようで、みなさん満足げな様子で帰っていきました」

Q: 具合が悪くなった人や、当日のキャンセルは?

記者「そのあたりのことについては、自衛隊も非常に神経を尖らせて準備をしていましたが、今のところほぼ予約通りの実数の方がお見えになっているようです。また、具合が悪くなった方や急病人など、大きなアクシデントの報告は、特段、報道各社に対してはされていません」

Q: 今後について

記者「25日から少しずつ接種を受ける人数を増やし、来週の月曜日からは最大値の(一日)1万人の接種をすることになります。現場の自衛官の1人に話を聞いたところ、来週以降きょうの倍になったとしても、きょうのこのペースを見ていれば問題はないだろうと、手応えを感じている様子でした」

大規模接種の会場は、このあと午後8時までとなっています。

■徐々に拡大…東京と大阪、大規模接種の今後

24日は、大規模接種センターでの接種開始と同時に来週分の予約が始まりました。東京の場合、今週接種できるのは23区に住んでいる人のみでしたが、来週は市町村部を含めた東京都内全域に拡大されます。その後、来月7日からは、東京を含めた埼玉、千葉、神奈川の65歳以上の高齢者が対象となります。

大阪も同じく今週接種できるのは大阪市に住んでいる人だけですが、来週31日からは大阪府全域に拡大され、その後、来月7日からは京都と兵庫も対象となります。一日に接種する人数も、来週からは東京会場で1万人、大阪会場では5000人に倍増される予定です。

■東京ドーム・築地の市場跡…ワクチン接種会場に?

ワクチン接種をめぐっては、会場として『東京ドーム』や『旧築地市場の跡地』を使う案も浮上しています。東京ドームは、読売巨人軍が文京区などに無償提供するかたちです。具体的には8月からの接種開始を目指していて、概算で一日あたり1000人程度の接種が見込まれています。グラウンド部分ではなく、人が行き来するコンコースを使用する計画とのことで、区単位で行う接種であることから、国の大規模接種よりは少ない人数となっています。

そして、旧築地市場の跡地については、小池都知事が、菅総理に接種会場を作る考えを伝えてワクチンの提供を求めたところ、菅総理は快諾したということです。対象は、高齢者ではなく「警視庁」と「東京消防庁」などの職員で、短期間の会場になる可能性もあるということです。政府がワクチン接種を急ぐ中、追い風となりそうです。

ただ、高齢者が対象のワクチン接種は進んでいますが、若い世代も含めて全員が接種できる日はまだ先です。あらゆる場面に感染リスクがあることを忘れず、対策を続けていきたいものです。

(2021年5月24日16時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)