観客は? 橋本会長へJリーグが「知見」
五輪に観客を入れるかどうか決まらない中、組織委員会の橋本会長は7日、Jリーグの村井チェアマンに意見を求めました。2人の対談に日本テレビのカメラが入りました。一方、観戦を心待ちにするファンからは「早く決めてほしい」との声が上がります。
■近づく五輪 「寝られない」理由は…
2006年の冬のトリノオリンピック以降、毎回現地で観戦している、「オリンピックお兄さん」こと滝島一統さん(44)を7日訪ねました。鉢巻きを締め、気合いが入った出で立ちです。
――東京オリンピックまで50日を切りましたが、お気持ちは?
「わくわくが止まらないですね。最近あまり寝られていないです」
今回も開閉会式に加え、陸上男子100メートル決勝や体操男子団体などのチケットを購入しています。楽しみな競技を聞くと、「(選ぶのは)無理ですね、その質問は。ははは!」と声を出して笑いました。
毎日眠れないほど楽しみにしている一方で、心配もあるといいます。
「もしかしたら、無観客になっちゃうかも、という不安もあってなかなか寝られないですね。もちろん自分が現地で応援したいというのもありますけど、観客あってのオリンピックなので。今決めてほしいですね」
■チケット購入者の“揺れる心”
海外からの観客受け入れはすでに断念していますが、国内の観客をどうするかはまだ決まっていません。
総額50万円以上のチケットを購入した男性に話を聞きました。「陸上が4(枚)に、レスリング4(枚)に、女子ラグビーが2(枚)。サニブラウンさん頑張ってほしいな、みたいな」と心待ちにしていました。
一方、パラリンピックのチケットを持っている女性は「どうにかして行きたいかというと、正直そうでもない。去年から(感染状況は)良くなっていないし、なっていないけど人はあふれているんで」と言います。
■Jリーグ AIで顔認識、歓声分析も
どうすれば観客を入れたオリンピックができるのか―。大会組織委員会の橋本会長が7日、Jリーグの村井チェアマンに意見を求めました。
村井チェアマン
「スポーツに関わる人間として、スポーツの最前線で頑張っていらっしゃる皆さんに少しでもお役に立てれば」
2人の対談に、特別に日本テレビのカメラが入りました。
橋本会長
「医学的・科学的な知見を基に検証を重ねて、(客席で)クラスターを発生させることなく(試合を)されてきたという、チェアマンが今まで積み重ねてきた知見をお聞きしたいと思いました」
村井チェアマン
「来場される方々との対策を徹底してきました」
村井チェアマンは、オリンピックの開催可否について述べる立場ではないとしながら、Jリーグが実践している、AIで観客の顔を認識して「マスク着用率」を算出する取り組みや、スタジアム内の音声を分析し歓声が上がる頻度が分かる仕組みなどを紹介しました。
■橋本会長「あきらめずに理解を」
村井チェアマン
「ボランティアの方だったり観客の方だったり、さまざまなメディア関係者だったり、皆さんがイベントを何とか成功させようという思いをお持ちですので、そういう方を信じて情報を提供して、協力者になっていただくことができれば、うまくいくなと」
橋本会長
「有観客にするか、あるいは無観客も覚悟していますけれども、人流の抑制をどのように、医学的・科学的な観点で提示していくかということが組織委員会に求められている大きな課題だと思っています」
会場やその地域の事情を考慮して検討することも重要だとしました。
対談後、橋本会長に改めて観客を入れることへの思いを聞くと、「1人でも多くの方に(会場で)感じていただくというのは、できる限りあきらめずに理解を求めていきたいなと(考えています)」と話しました。
■首相「国民の命と健康を守る」14回
菅首相は7日、国会で「選手や大会関係者の感染対策をしっかり講じて、世界から選手が安心して参加できるようにするとともに、国民の命と健康を守っていく」と述べました。「国民の命と健康を守る」と14回繰り返しました。
一方、埼玉県は県内で実施予定だったパブリックビューイングを中止すると発表しました。
大野知事「感動と興奮を共有していただく意義と、リスクを総合的に勘案(しました)。大変残念というのが私の感想であります」
こうした中、国立競技場の周辺では大会準備のため、8日から9月30日まで交通規制が行われます。タクシー運転手は「知らなかった。看板、出てました?」と驚いた様子です。規制の範囲は段階的に拡大していくといいます。
(6月7日『news zero』より)