広島への原爆投下後に降った「黒い雨」を浴びて健康被害を受けたとして、住民が起こした裁判で、二審の広島高裁は、一審に続き、「原告全員を被爆者と認める」判決を言い渡しました。

訴えているのは、広島市などの住民と遺族、あわせて８４人です。国が援護の対象とする「大雨地域」の外で「黒い雨」を浴び、健康被害を受けたとして、「被爆者健康手帳」の交付を求めています。

去年７月、広島地裁は原告全員を被爆者と認める判決を言い渡しました。しかしその後、国の意向を受け、県と広島市が控訴していました。

１４日の控訴審判決で、広島高裁の西井和徒裁判長は、「原告らはいずれも黒い雨にあったと認められる」と指摘。放射能と健康被害の関連を認め、県と市の控訴は「いずれも理由がない」として、一審に続いて、原告全員を被爆者と認める判決を言い渡しました。