開会式前日 演出の小林賢太郎氏を“解任”
東京オリンピックの開会式が23日に迫る中、突然の発表がありました。開会式で演出を担当する元お笑いタレントの小林賢太郎さんが過去にコントでユダヤ人大量虐殺を揶揄(やゆ)するセリフを使用していたことがわかり、22日に解任されました。
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開会式を23日に控え、またもや起きた“異例の事態”。
22日、小林賢太郎さんの解任について問われた菅首相は…
菅首相(22日午後5時すぎ)
「ご指摘の件については言語道断、まったく受け入れることはできません」
その解任が発表されたのは突然のことでした。
組織委員会 橋本聖子会長(22日正午前)
「開閉会式の制作演出チーム、クリエーティブチームの一員である小林賢太郎氏が、自身の公演で過去に歴史上の痛ましい事実を揶揄(やゆ)するセリフを使用していたことがわかりました。これを受けまして、本日、小林氏を解任することに致しました」
東京オリンピック・パラリンピックの開閉会式の演出の調整役だった元お笑いタレントで演出家の小林賢太郎(48)さん。
23年前の若手芸人時代、ユダヤ人の大量虐殺を揶揄するコントをしていたとして、当時の動画がSNS上で拡散。さらには…
記者(アメリカ・ロサンゼルス)
「開会式を目前に、ロサンゼルスにあるユダヤ人の人権団体が非難する声明を発表しました」
21日、アメリカのユダヤ人の人権団体、サイモン・ウィーゼンタール・センターが、小林さんが過去に悪意のある反ユダヤ的な冗談を言ったと指摘。
「それがいかにクリエーティブであろうとも、誰もナチスの大量虐殺の被害者をあざ笑う権利はない」などと非難していたのです。
こうした問題について、いつ把握したか問われた橋本会長は…
組織委員会 橋本聖子会長(22日正午ごろ)
「けさ、深夜から朝方にかけて情報が入ってきたことで協議をし始めました。まったくそういうことが存在していたことは存じ上げていなかった。外交上の問題もいろいろあると思います。早急に対応しなければいけないということで、解任という運びになりました」
会見に出席していた海外メディアは…
オーストラリア・メディア
「ここで辞めさせないと、さらに大きな問題に発展したでしょう。辞めさせなければ大会として大きなしこりを残したでしょう」
ドイツ・メディア
「またこんなことが起きたのは、驚くべきことです」
街の人からは…
会社役員・30代
「立て続けに解任されてて、日本人として恥ずかしい感じはある。もっと事前に分からなかったのかなと」
会社員・30代
「五輪自体が大丈夫かなと」
これまでも相次いで問題が発覚してきた演出メンバー。
今年3月には、開閉会式の“演出トップ”だった佐々木宏氏が女性タレントの容姿を侮辱するような演出プランを提案していたことがわかり、その後、辞任。
さらに今週月曜日(19日)にも、開会式の一部楽曲を制作したミュージシャンの小山田圭吾氏が、過去の“いじめ”に関する発言が原因で辞任となりました。
組織委員会 橋本聖子会長
「これだけ次々と多くの問題が発覚しているということ。全体としては私が責任者、関係者の方のバックグラウンドを過去も含めてすべて調査をしきれていなかったことには責任を痛感しております」
解任を受け、小林さんはコメントを発表。
「ご指摘を受け、当時のことを思い返しました。思うように人を笑わせられなくて、浅はかに人の気を引こうとしていた頃だと思います。当時の自分の愚かな言葉選びが間違いだったということを理解し、反省しています。申し訳ありませんでした」
23日に迫った開会式の演出に変更はあるのか?橋本会長は、「どのようにしていくか、早急に結論を出す」としています。