ほぼ満床、休みナシ…「戦場」と化す病院
■ほぼ満床、休みなし…「戦場」
重症や中等症の新型コロナウイルス患者を受け入れている埼玉県三芳町の「ふじみの救急病院」。院内で6日撮影された映像からは、緊迫した現場の様子が伝わってきます。
鹿野晃院長
「いま(人工呼吸器)挿管した?」
看護師
「挿管しました」
院長
「4人目の人工呼吸器の患者さんですね」
重症患者は日に日に増え、院長は「特別室1部屋以外、全部埋まっている状態ですね。非常に厳しい状態です」と語ります。ほぼ満床の状態です。
院長が「看護部長も疲れ気味ですね。3日間休んでない?」と話しかけると、看護部長は「3週間です」と答えました。
院長
「急激にフェーズが変わりましたね。後がないね」
放射線技師
「戦場ですね」
院長
「戦場だね」
■院長「過去最高のひっ迫具合」
入院患者への対応も大きく変わっていました。
肺炎症状に苦しむ、ある中等症患者(66)は、本来なら最低1~2週間の入院が必要といいますが、鹿野院長は「今そんな余力は全くありませんので、1泊2日の入院中に全ての薬をたたきこむ。今までの日本の医療のレベルとは大きく逸脱した治療をせざるを得ない」と説明しました。
院長はまた、「過去最高のひっ迫具合で、(入院が必要な自宅療養者が)最悪の場合、お亡くなりになった状態で発見されるというようなことが必ず起きてきます。(このままだと)まだまだこれから状況が悪くなっていく、絶望的な感覚を持っている医療従事者が多いと思います」と話しました。
■自宅療養中「入院したい」何度も
東京都の自宅療養中の患者は6日、過去最多の1万8036人となりました。
医師が自宅で診察するケースが急増しています。都内で自宅療養中の男性患者(60代)の自宅には、夜間や休日に往診するファストドクターの姿ありました。
医師
「ちょっと…肺炎は強いかもしれない」
患者
「肺炎になるかもしれない?」
医師
「いや、もう(肺炎に)なってる」
男性にはコロナによる肺炎症状が見られ、「入院したいんです」と何度も口にしていました。
医師
「入院したい?」
患者
「(入院)させてくれない」
医師
「保健所の方にご相談は?」
患者
「何回も言いましたよ。けど、ああだこうだ言われて(入院させてもらえない)」
診察の結果は、入院が必要な状態でした。医師が保健所に連絡し、入院調整を依頼しましたが、患者自身で救急要請をするという指示がありました。患者は119番をして、救急車で搬送されました。
適切な医療がすぐには受けられない―。これが日本の現状です。
(8月6日『news zero』より)