「大川原化工機」をめぐるえん罪事件で、勾留中に体調が悪化し、のちに胃がんで亡くなった会社の元顧問の遺族が国を訴えた裁判で、東京地裁は21日、遺族の訴えを退けました。

機械メーカー「大川原化工機」は、軍事転用可能な機械を不正に輸出したとして社長ら3人が警視庁公安部に逮捕され、その後、起訴が取り消されましたが、逮捕された元顧問の相嶋静夫さんは勾留中に悪性の腫瘍が見つかり、のちに胃がんで亡くなりました。

遺族は、東京拘置所が適切な治療などを怠ったとして、国に賠償を求めましたが、東京地裁は21日、「拘置所の診療行為には合理性がある」として、遺族の訴えを退けました。

相嶋静夫さんの長男
「（父の）拘置所の中でがんとわかってから受けた苦しみというものに対して、裁判所に十分に理解してもらえなかった」

遺族は、「控訴は今後検討するが、父の無念を晴らせるように活動したい」としています。