全国初 往診で「抗体カクテル療法」始まる
新型コロナウイルスの全国の重症者数は20日時点で1429人と、減少傾向にあるものの依然として高い水準です。こうした中、「重症化」を防ぐため、新たに始まったのが往診での「抗体カクテル療法」です。
大阪府と大阪府医師会の連携のもと、全国で初となる自宅療養者に対する投与が試験的に行われました。
治療を受けたのは重症化リスクのある30代の女性。38度を超える発熱や、重い咳の症状があるものの、乳幼児の子供がいるため入院や、宿泊療養施設に行くことが困難な状況でした。しかし、投与翌日には、熱は下がり、症状は安定したといいます。
24時間以内の患者の病態の悪化の有無を確認できる体制が確保されているかなど、厚労省が確認できた場合に可能とする、往診での「抗体カクテル療法」。
往診での「抗体カクテル療法」について、都内で往診を行う医師は…。
ひなた在宅クリニック山王・田代和馬院長「(第5波では)抗体カクテル療法適用の患者さんはたくさんいらっしゃる中で、使えなかった歯がゆさを非常に感じていましたので、喜ばしいことだと思っています」
Q「経過観察にも時間かかると思うが」
田代和馬院長「第5波のときは(1日)10、20人の患者さんを家でみることあったが、同じ数を抗体カクテル療法できるかというと無理だと思います。治療後のフォローアップ体制をしっかり整えないといけない」
今月、外来患者への「抗体カクテル療法」を始めた都内の病院は、往診での「抗体カクテル療法」について…。
昭和大学病院・相良博典院長「自宅療養・ホテル療養者で重症化した人が、我々のところにも搬送されてきていましたので、早く治療ができる点では非常に重要なポイント」
外来と入院患者あわせておよそ40人を「抗体カクテル療法」で治療。これまでに投与した患者は全員、重症化をおさえられたといいます。
相良博典院長「ただ、投与した中で発疹が出たり気分が悪くなる方もいる。基幹病院と地域の先生方がうまく連携とって、やっていく必要性があるかなと」