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道路下の土砂が隣の工事現場に流出し陥没か

2021年11月3日 0:57
道路下の土砂が隣の工事現場に流出し陥没か

ゴミ収集車が転落しそうになった道路の陥没。東京・JR吉祥寺駅近くの住宅街で発生しました。地元では、「2、3か月前からへこんでいた」という声も…。

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2日午後8時すぎ、発生から14時間以上たちましたが、ゴミ収集車は車体が大きく傾き、陥没した道路に引っかかった状態のままで、夜になっても、重機を使っての作業が続けられていました。

道路陥没に街の人は──。

吉祥寺在住 大学生(21)
「びっくりしました。昨日も通ったものですから」

武蔵野市在住(40代)
「普段よく通っているところなので“もし自分が近くにいたら”という恐怖もありました」

陥没が発生した直後の2日朝、現場は騒然としていました。警視庁によりますと、午前6時前、ゴミ収集車の運転手から、「道路が陥没し、ゴミ収集車の後輪がはまった」と通報があったということです。

現場は、東京・JR吉祥寺駅から直線距離でおよそ300メートルのところにあり、近くに東急百貨店もある繁華街の脇道です。

陥没でできた穴は、縦およそ10メートル横およそ4メートル、深さは2メートルから5メートルほどとみられます。

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突然の事態に、困惑する人も──。

焼き鳥店オーナー
「(店を指さしながら)あの焼き鳥屋です。普段から当然商売しています。昨日もしてたし」

現場の目の前で営業する焼き鳥店のオーナーです。許可を得て、短時間だけ店に入れたといい、その時に撮った陥没現場の写真を見せてくれました。

焼き鳥店オーナー
「こういう感じですね、ギリギリ。断崖絶壁って感じですよね。これから先どうなるのか。すぐに営業できるようには見えない。また“緊急事態宣言”ですね」

ゴミ収集車に乗っていた男性2人を含め、ケガ人はいませんでした。

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なぜ、道路は陥没したのでしょうか。

原因として考えられるのが、すぐ隣の、地下深くまで掘り下げられたビルの建設工事現場に設置されていた「土留め(どどめ)」です。

「土留め」とは、工事などをする際に囲う壁のことです。これにより、外側から土砂が流れ込んでくるのを防ぐことができます。ただ、改めて上空から見ると、工事現場側に「土留め」が傾いている様子がありました。

さらに、気になる証言も──。

現場の目の前に店がある焼き鳥店オーナー
「2~3か月前に(道路が)ちょっとへこんだところがあった。ちょうどあそこ、穴があいている辺。工事の人が一瞬直していましたね」

実は、作業員によりますと、陥没の前、「土留め」の壁に亀裂が入っていたといいます。

警視庁は、この亀裂から道路の下にあった土砂が工事現場に流れ出た可能性があるとみて、陥没との関連を調べています。

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夜になっても転落寸前のままのゴミ収集車。クレーンを入れる場所が見つからないため、明日(3日)中に撤去するのは難しく、再び道が通れる状態になるにはひと月以上かかる可能性もあるということです。

11月2日放送『news zero』より。