赤木さん裁判終結「卑怯なやり方」妻は怒り
近畿財務局の職員だった赤木俊夫さん。その自殺は森友学園をめぐる公文書改ざんが原因だとして、妻が国などに損害賠償を求めた裁判で、国は15日になって、その訴えをすべて認めました。しかし、赤木さんの妻は会見で怒りをあらわにしました。
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俊夫さんの妻 赤木雅子さん
「ふざけるなと思いました。夫は国に殺されて、また何度となく殺されてきましたけど、今日もまたうちのめされてしまいました」
夫の赤木俊夫さんは、近畿財務局の職員として文書改ざんに関わったことを苦に、自殺しました。
妻の雅子さんが、国などに1億円あまりの損害賠償を求めてきた裁判。
これまで国は、雅子さんの訴えを退けるよう争っていましたが、15日に一転、国は賠償責任を認め、裁判は終結することになりました。
赤木雅子さん
「お金を払えば済む問題じゃないです。私は夫がなぜ死んだのか、何で死ななければならないのか知りたい。そのための裁判でしたので、ふざけんなって思います」
審理の途中で終わった裁判。その理由について国は――
鈴木財務相
「いたずらに訴訟を長引かせるのは適切ではなく、決裁文書の改ざんという重大な行為が介在している事案の性質などに鑑み、認諾する(賠償責任を認める)という判断に至った」
岸田総理大臣は、周辺に対し「やれることはやった。できる限り丁寧に対応しろと指示した」と話しています。
ただ、これまで国が開示した文書では、改ざんを指示した人物などの名前は黒塗りされ、隠されたままです。
真相を知りたいという雅子さんの思いが果たされないまま、突然終えることになった裁判。
雅子さんは「国とずっと闘ってきましたけど、惨敗したような、負けに負けたような気持ちでいます。一番、夫の苦しんだ改ざん作業、それをした財務局、財務省に、きょう、卑怯なやり方で、裁判を終えられてしまって、夫はなんて言うだろうって、考えています。こんな形で終わってしまったことが、悔しくてしょうがないです」と話しました。