オミクロン拡大と年末年始が重なると…試算
徐々に増え始めている新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の感染者ですが、これから迎える年末年始と感染拡大の時期が重なるとどうなるのかについて予測も出ています。
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■米軍基地でクラスター…住民との接触は
オミクロン株の最新情報について、日本で確認された感染者は、65人となりました。
このうち、沖縄のアメリカ軍キャンプ・ハンセンのクラスター関連では、3人の感染が確認されています。
18日に感染が確認されたのは、基地で働く50代のアメリカ人女性と、その夫で60代の日本人男性です。
また、17日には、基地従業員の50代の日本人男性の感染が報告されていて、この人の同僚の1人もオミクロン株への感染の疑いがあり、ゲノム解析が行われています。
感染が確認されている3人は、20日時点、軽症で入院中です。回復傾向の人もいるということです。
キャンプ・ハンセンでは、大規模なクラスターが発生しています。政府によると、20日朝の時点で少なくとも180人の感染が確認されていて、オミクロン株かどうかはわかっていないということです。
沖縄県によると、クラスターの大部分は今月初旬、部隊の配置換えで国外から嘉手納基地経由で沖縄入りした隊員だということです。
こうした状況を受けて、日本政府は、基地内外でのより一層の行動制限などをアメリカ側に要請しました。
なお、感染者は全員、基地内で行動を制限されていて、一般住民との接触はないということです。
■感染拡大と年末年始重なると…“2月中旬に3000人超”予測も
感染拡大が懸念されるオミクロン株ですが、今後、帰省や飲み会などが増える年末年始の時期と感染拡大の時期が重なるとどうなるのでしょうか。
名古屋工業大学の平田晃正教授のグループが、AIを使って予測しました。
まず、オミクロン株の感染力を、感染力の強さとワクチンの効果が弱まることを加味し、デルタ株の3倍と仮定しました。
さらにAIには、過去・現在の感染者数、人流、ワクチンの効果などのデータを入力すると、今後、東京でどのぐらい感染が広がるのか、次のような試算が出ました。
仮にオミクロン株の市中感染が1月1日から始まった場合、1月末から新規の陽性者数が増加し、2月初めには1日1000人を超えていき、中旬には3000人を超えるということです。
この試算には、3回目のワクチンによる一定の効果なども含まれているので、3月以降は感染者の伸びがおさまってくるということです。
一方、市中感染の開始が1月16日と、先ほどより2週間ほど後になると仮定した場合は、2月下旬に2000人を超えるという試算になっています。
1月1日から市中感染が始まった場合と比べると、感染者の数に開きがあります。市中感染の開始時期が遅ければ遅いほど、感染拡大のピークが少しは抑えられるということです。
年末年始でいかに感染拡大が抑えられるか、ということになります。
平田教授は、「年末年始は、普段会わない人と会い、人の移動も多くなり、感染が広がりやすい。市中感染が確認されたわけではないが、気を緩めずに対策をしないと、急拡大になる可能性がある」と指摘しています。
■岸田総理「3本の柱」発表 “飲み薬”いつから?
岸田総理大臣は先週、今後の感染拡大に備えて「ワクチン接種の前倒し」「飲む治療薬の提供開始」「検査体制の抜本強化」の「3本の柱」を発表しました。一つずつ紹介します。
1.ワクチン接種の前倒し
ワクチンの3回目接種は、これまで、2回目からの間隔を原則8か月としていました。しかし、これを新たに、医療従事者や重症化リスクの高い高齢者施設の入居者などを対象に「6か月に短縮」すると発表しました。
また、一般の高齢者については、来年2月以降に間隔を7か月とし、対象は合わせておよそ3100万人ということです。
2.飲む治療薬の提供開始
コロナ専用の飲み薬としては国内初となるメルク社の「モルヌピラビル」をすでに160万回分を確保しています。24日に開かれる専門家会合の審査を経て承認されれば、年内に医療現場に届ける予定ということです。
「モルヌピラビル」は、臨床試験では、入院または死亡のリスクを30%減少させることが確認されている治療薬で、軽症から中等症を対象に開発されたものです。
3.検査体制の抜本強化
検査体制の強化策として、飲食や帰省など人との接触が増える年末年始に向けて、ワクチン接種が受けられない人を対象に、予約不要の無料検査をすべての都道府県で年内から開始できるように準備を進めているということです。自治体で受けられるPCR検査や抗原検査のことを指します。
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年末年始の過ごし方が大切です。いま感染者が減っているからと油断せずに、基本の感染対策を徹底してやり続けていきましょう。
(2021年12月20日午後4時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)