“おうちトイレ”が高級志向に 機能充実の高級モデルが人気 空間全体にこだわりも…
今、節水や洗浄機能が充実した高価格帯のトイレが人気です。トイレ自体だけでなく、内装や空間全体にこだわる人も増えているといいます。最新のトイレ事情を取材しました。
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“スマホを見ながら”が3割以上、“考え事をしながら”が4割で最多、1回の滞在時間は平均11分間というアンケートの結果もある“トイレで過ごす時間”。(LIXIL調べ)
一人きりになれる貴重な「トイレタイム」をもっと快適に過ごしたいと願う人に人気なのが――
交換できるくん セールス本部長・池田順一さん
「通常のトイレの倍近くする15万円~20万円くらいの高価格帯のトイレが非常に売れている」
人の気配を感じると自動でふたがあく非接触タイプや、節電節水機能がついた高価格帯のトイレが全体の売り上げの約半分を占めるほどの人気になっているといいます。
総務省の統計でも、温水洗浄便座の購入単価は5年前と比べて2割ほどアップしています。
背景にあるのは、“コロナ禍”です。
交換できるくん セールス本部長・池田順一さん
「家にいる時間が増えたことで(トイレを)替えたい。在宅ワークをしているお父さんが『替えたい』という依頼が非常に増えています」
コロナ禍でトイレにいる時間が増えたことに比例して“高級志向”が進んでいるのです。
実際、マイホームを最近購入したという人に話を聞くと――
先月マイホームを購入
「1階と2階にトイレができたので、あえてデザインを変えて。おうち時間を大切にしたかったので。私より主人の方がトイレ空間を気に入っていると思います」
“よそのトイレ”は使えないほど快適すぎて、長居してしまうということです。
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トイレの歴史を少しさかのぼると、和式から洋式へと変わっていったのが1960年代後半です。この頃には温水洗浄便座が登場しはじめていて、2010年代にはスマホで操作できるトイレが登場しました。
2020年代になっても、その進化はとまりません。便座があがると、自動的に泡が吹き出すトイレも登場しました。何のためかというと――
LIXILトイレ空間事業部 田中英光さん
「トイレをお使いになるときの飛び散りを抑制することができます 」
これで夫婦仲も円満となるのでしょうか。男性特有の飛びはねや気になるあの音を“泡のクッション”が吸収してくれるトイレです。カラーも豊富にそろえていて、上品で落ち着いた黒やグレーが特に人気だということです。
そして今メーカーが力を入れているのが、便座の裏に設置されたセンサーが毎日の便から健康状態を判断し記録してくれるトイレです。
LIXILトイレ空間事業部 田中英光さん
「AIを活用して排便の管理をしてくれる機能の実用化に向けた研究を進めています」
すでに高齢者施設での実証実験を行っていて、介護職員の負担軽減につながると期待されています。
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時代を反映しながらトイレが進化を続ける中、“本体以外”にもこだわる人も増えています。
街で話を聞くと――
「季節に合わせて芳香剤を変えたりとか、インテリアを変えたりとかしています。時期に合わせてリースの種類を変えたりとか壁に飾ってるドライフラワーを変えたり、絵はがきとか飾ったりしています」
DIYをしたこだわりのトイレをSNSにアップする人までいます。
住宅の建築資材を扱う会社でも、消臭機能がついた天井材や音漏れを軽減する壁材などトイレ関連の建築材の注文が増加しているといいます。
大建工業エコ事業部FB開発課 原光平さん
「消臭する天井材が(コロナ禍前と比べ)2割増となっております。巣ごもり需要ということでトイレの使用回数も増えてきて、“リフォームの需要”が増えたのかなと予測しております」
トイレの“空間全体”にもこだわる人が増えていると感じているということです。
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毎日お世話になるトイレ。高級志向は今後も進みそうです。