浅尾環境大臣が鹿角市のクマ襲撃現場を視察 銃の発砲要件に関する法改正に向け現場の実態を把握
いまから5年前の2019年、鹿角市十和田大湯で、市街地に出没したクマの追い払いをしていた地元猟友会の2人が、クマに襲われてけがをしました。
法に基づく発砲の許可がなかったことから、当時の写真では、周りにいる警察官もスコップや棒でクマに立ち向かい、追い払おうとしています。
この現場を、27日、浅尾環境大臣が視察して、クマに襲われた猟友会の男性や、対応にあたった市の職員から、直接、当時の状況を聞き取りました。
人里へのクマの出没が増加し、人が襲われる被害も増えていることから、国は、法改正を進め、市街地で銃を発砲できる要件を特例的に緩和する方針です。
浅尾環境大臣は、27日、鹿角市十和田大湯を含む、市内2か所を視察しました。
環境省は、昨年度、県内で70人、全国で219人と、いずれも過去最も多くなったクマに人が襲われる被害への対応について、有識者による検討会を開き、市街地で銃を発砲できる要件を特例的に緩和する法改正を進める方針です。
27日の視察は、現場の実態を把握するために行われたもので、クマに襲われた猟友会の男性や、対応にあたった鹿角市の職員から当時の状況を聞き取りました。
クマが市街地に現れた場合、現在、猟友会が発砲できるのは、法に基づいて警察官が発砲を命じた場合などに限られていて、大きな制約がかかっています。
今回の法改正は、
▲住宅街でクマに人が襲われる恐れが生じている場合。
▲建物内にクマが入り込んだ場合。
▲住宅街で箱わなを使ってクマを捕獲した場合
について、特例として、銃によるクマへの対処をできるようにすることを目指しています。
浅尾 環境相
「いろいろな葛藤の中で、残念ながら被害が出たということで、大変重く受け止めています」
浅尾大臣は、法改正について「課題があるということであればできるだけ早く国会に提出していきたい」と述べました。