パラ車いすテニス“最年少”金メダル 小田凱人選手 強さの秘密とは?【バンキシャ!】

フランス・パリで8日未明、車いすテニス・男子シングルス決勝。18歳の小田凱人選手は、最終セットまでもつれる熱戦を繰り広げた。
小田凱人選手
「過去一番大きな声援だった。これまで感じたことない緊張感、途中から凱人コールが大きくなって、これは俺のもんだなって感じで」
パラリンピック初出場にして、この種目、史上最年少で手にした金メダル。世界の頂点をつかんだ小田選手。かつて自らの著書「I am a Dreamer」(KADOKAWA)で、「誰もやらないことをする」と語っていた。
「“誰もやらない”テニス」。そこに、小田選手の強さの秘密があった。
アテネ・パラリンピック金メダリストの齋田悟司選手は「小田選手特有のスタイル。新しい時代の予感」と話す。
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9歳の時、左足に骨肉腫が見つかった小田選手。そんな中で出会ったのが、車いすテニスだった。きっかけは10歳の時、車いすテニス界のレジェンド・国枝慎吾さんのプレーをみたこと。夢中で練習を続けたという。
15歳でプロに転向。史上最年少で全仏オープン優勝など数々の記録を打ち立てた。国枝さんの引退後、次世代を担うエースにまで成長を遂げた小田選手。
パリ・パラリンピックの車いすテニス・男子シングルス決勝は、まさに激闘だった。相手は世界ランキング1位のイギリスのA・ヒューエット選手。幾度となく、対戦してきたライバルだ。
互いに1セットずつを取り合い、運命の第3セット。このセットをとったほうが金メダル。一時、点差が開き、相手のマッチポイント。あと1ポイントとられたら試合終了という絶体絶命のピンチ。しかし、小田選手は、このプレッシャーを楽しんでいるようだった。