【解説】味覚の秋も注意「食中毒」 公園に“最強”の毒キノコ…うっかり触ると危険 “シイタケそっくり”のモノも
「食欲の秋」ということで、いろいろな食材が旬を迎え、おいしい季節になってきました。夏のイメージがある食中毒ですが、実は秋も注意が必要です。
●毒キノコに要注意
●公園に“最強”の毒キノコ
●スーパーでも販売
以上のポイントを中心に詳しく解説します。
福島県に住む30代の男性がキノコ狩りへ行き、16日に自分で採ってきたキノコをスープにして食べたところ、下痢やおう吐の症状を訴え、病院に運ばれました。男性は「採ってきたキノコを『ホンシメジ』だと思って、食べた」ということですが、形が似ている毒キノコ「クサウラベニタケ」だった可能性があるとみられています。
秋も深まって、キノコがおいしい季節になってきますが、毎年この時期は、毒キノコによる食中毒が最も多い時期です。厚生労働省によると、2012年から21年の10年間、食中毒で、820人の患者が報告されています。その中で最も多い原因が「ツキヨタケ」で、半数以上の462人を占めています。2番目は「クサウラベニタケ」で、138人でした。
山形県衛生研究所によると、ツキヨタケは枯れ木や倒木などに生えています。大きさはまちまちで、小さいものから大きいものまであります。形は、半円形や扇形などをしているということです。見た目はおいしそうですが、食べると30分から1時間程度で、おう吐、下痢、腹痛などの症状が出るということです。
食用のヒラタケやシイタケによく似ているということと、近くに生えていることもあり、間違えやすいため注意が必要です。
ツキヨタケは生えている環境によって色が違うという問題があって、かさの色で見分けることも難しいです。ツキヨタケの最大の特徴は、名前の通り、「夜に光る」という点です。
きのこアドバイザー・廣瀬晴彦さんが撮影した写真では光っているのが分かりますが、特殊な撮影方法で捉えたため、私たちが肉眼で光っているのを確認するのは難しそうだということです。古いキノコだと、ツキヨタケであっても光らない場合もあるため、確実に見分ける方法とは言い切れないということです。