連続企業爆破事件で指名手配されている桐島聡容疑者を名乗る男が、29日朝、入院先の神奈川県内の病院で死亡したことが捜査関係者への取材でわかりました。

捜査関係者によりますと、桐島聡容疑者を名乗る男は末期の胃がんを患い、今月に入って病院に入院していましたが、容体が悪化し、29日朝、死亡したということです。

捜査関係者によりますと、今月25日、神奈川県鎌倉市の病院に入院している男が桐島聡容疑者と名乗り、警視庁公安部が確認を進めていました。男は「死ぬときくらいは本名で死にたかった」などと話したほか、容疑者本人しか知り得ない話も話していたということです。

桐島容疑者は1970年代に起きた連続企業爆破事件で重要指名手配されている「東アジア反日武装戦線」のメンバーで、1975年に爆発物取締罰則違反の疑いで指名手配され、50年近く逃亡しています。

男は「内田洋」の名前で数十年前から神奈川県内の工務店で住み込みで働いていて、1年ほど前に末期の胃がんと診断され、今月中旬に「ウチダヒロシ」の名前で入院していました。

桐島容疑者の指紋やDNAは残っておらず、警視庁は引き続き、親族のDNA型と照合するなどして本人確認を進めるとともに、桐島容疑者が偽名で長期間、県内に潜伏していた可能性があるとみて調べています。