6月は小学生の交通事故に要注意 事故の原因は視野の狭さと梅雨?
警察庁が発表した令和5年中の小学生の交通事故。月別で見ると6月が最も多いことが分かりました。事故の原因の一つとしては、梅雨の季節であることから、雨による視界不良があげられます。しかし、それ以外に年齢も関係するようでした。内閣府のHPによると、学年毎の事故件数を見てみると、小学校1年~2年の7歳くらいの子どもたちが多く、魔の7歳と呼ばれることもあるようです。なぜ、6月は小学生の交通事故が増えてくるのでしょうか?
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2018年の6月に起きた、あわや事故の映像を見てみると…
車が走行中、横断歩道のない所で子どもが急に飛び出してきました。間一髪、衝突は免れましたが、1つ間違えると命に関わる事故になっていたかもしれません。
なぜ、6月はこうした小学生たちの交通事故が多くなるのか? 小学生の事故について研究している東洋大学の内山有子教授に、話をうかがいました。
東洋大学健康スポーツ科学科 教授 内山有子さん
「4月、5月は新しいクラス新しい友達で子どもたちも緊張している。集団登校するにしても新しいお兄さん、お姉さんと一緒に登校」
しかし、6月になると学校にも慣れ、友達と遊ぶことも増えて行動範囲が広がることから、事故に遭う確率が高くなっているのではないかといいます。そして、もう1つ理由が。
東洋大学健康スポーツ科学科 教授 内山有子さん
「子どもは視野が狭いので、はっと気がつくと車が隣まで来ているとか、そういうことがあるのが子どもに事故が多い特性の1つなんじゃないかなと考えています」
そこで、実際に子どもの視野をVR動画で体験してみました。
JAF 交通環境部 西野真太さん
「オレンジの方が大人の視野、緑の方が6歳頃の子どもの視野」
中野謙吾アナウンサー
「だいぶ子どもの視野は狭いんですね」
大人の視野に比べると子どもの視野はかなり狭いのがわかります。今度はドライバー目線から見てみると。
中野謙吾アナウンサー
「子どもがいる!危ない!危なかった」
子どもは、狭い視野で突発的な行動をすることもあるため、交通事故が起きる原因の1つになっているそうです。
こうした、子どもたちの交通事故を減らすためにはどうすればいいのか? 保険会社で行っている取り組みを取材しました。
イーデザイン損保 今井宏太郎さん
「親子で危険な箇所を振り返るサービスを開発しました」
それが“もしかもマップ”というウェブサービスです。普段の生活で、危険だと思う場所にピンを置き、チェックすると…他のマップ使用者にも共有され、画像で見ることができるのです。2022年から始まった、この“もしかもマップ”。現在、全国で58,660か所登録されています。
さらに、このマップと連携して、危険な場所や急な飛び出しをした時に、アラート音で知らせるシステムを、現在開発しているそうです。
イーデザイン損保 今井宏太郎さん
「親子の会話で交通事故をなくしていく観点。衝動的な動きをアラートの力で防いでいく。子どもたちの事故を一件でも少なくしていきたい」
これから、梅雨などで見通しが悪くなる季節。子どもの動きにより一層の注意が必要です。