混みすぎで花火大会断念 「春日井市民納涼まつり」でスカイランタンフェスティバル開催 混雑緩和できたのか?
韓国の群衆雪崩事故をうけ…“夏の風物詩”を断念
暗闇に浮かび上がる幻想的なあかり。スカイランタンⓇという、LEDがついたランタンを浮かべた様子です。「春日井市民納涼まつり」でスカイランタンが打ち上げられたのは今年が初めて。
例年、5000発ほどの花火で夏の夜空を彩ってきた「春日井市民納涼まつり」ですが、今年は花火大会が中止に。代わりにスカイランタンフェスティバルが開催されたのです。市民に愛されてきた花火大会は、なぜなくなってしまったのでしょうか。
きっかけは去年の花火大会の会場を映した画像でした。このときの来場者数は過去最高の18万2000人。市の担当者によると、雑踏の中で人に押されて転んだなど、重大な事故につながりかねない案件が何件かあったということです。
一昨年、韓国の梨泰院(イテウォン)で起きた群衆雪崩による事故をうけ、この状況に危機感を持った市は、混雑を緩和するため花火大会を中止するという苦渋の決断を下したのです。代わりに選ばれたのがスカイランタンでした。
春日井市 市民生活課 川島浩資課長:
「花火大会は市外からも多くの方がお越しいただいていましたので、それに比べると去年ほどの危険な雑踏は発生しないのではないかと予想しています」
去年の来場者数は約18万人 ランタンに変更して混雑緩和できたのか…?
そして迎えた祭り当日。会場に続々とランタンが運ばれていく中、突然の雷雨に見舞われました。雨や風の場合、外でランタンを打ち上げるのは難しいのですが、午後6時に祭りがスタートしたころには、雨雲はどこへやら、空には太陽が顔を出していました。徐々に人も集まってきています。
にぎわう会場の裏ではランタンの打ち上げテストが行われていましたが、結果は問題なし! この後は降雨の予定もないということで、予定通り外で実施することになりました。
午後8時、いよいよ打ち上げへ。ランタンを持った人たちが続々と集まり、カウントダウンが始まります。打ち上げは大成功! 会場が幻想的な光に包まれました。職員たちも胸をなでおろします。
心配していた混雑具合はどうだったのでしょうか。設置した定点カメラで比べると、去年よりも隙間がありスムーズに人が動いているのがわかります。来場者は約11万人。想定通り去年と比べて4割ほど減少し、混雑を緩和できました。
また、費用については、去年までの花火大会は約800万円だったのに対し、今年は約100万円と8分の1に縮小。出店した屋台の数は、去年までが142軒、今年は139軒とほとんど変化はありませんでしたが、来場者数の減少に比例して売上は4割減だったということです。
春日井市 市民生活課 川島浩資課長:
「お越しになる方の満足度は集まる人の数じゃないというふうに今日つくづく思いましたので、来ていただいた方が楽しめる祭りというのを、これからも頑張っていきたい」
市の担当者は、来年はスカイランタンフェスティバルと花火大会のどちらにするか、まだ決めていないということですが、花火大会に戻すとしても、打ち上げ数を減らすなど規模縮小は必要だとしています。