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喉のイガイガ、止まらないクシャミと鼻水…その症状、風邪じゃなくて、“秋の花粉症”かも!?

2023年10月23日 16:58
喉のイガイガ、止まらないクシャミと鼻水…その症状、風邪じゃなくて、“秋の花粉症”かも!?

“秋の花粉症”に悩む人が急増している。喉のイガイガ、連発するクシャミに止まらない鼻水。風邪の症状とよく似ているため、自己判断で市販の風邪薬を飲んでしまう人も多いという。春ではなく、なぜ秋にも花粉症が流行しているのか?秋に飛散する花粉の特徴と予防方法とは。

患者数1.5倍増!“秋の花粉症”に悩む人が急増中

春のイメージが強い花粉症だが、今年は秋も花粉に注意が必要だ。名古屋市中区にある「栄セントラル耳鼻科」では、去年に比べて花粉症の患者が約1.5倍にも増加。クシャミや鼻水、鼻づまりなど風邪と症状が似ているため、「花粉症」と気付かないまま、市販の風邪薬を飲んでしまう人も多いそうだ。

取材時には、「(秋に)花粉症になったことがなかったので、絶対風邪だと思っていた。この症状がずっと続くのは嫌ですね…」と想定外の診断結果に戸惑う患者の姿も。また、声の不調が花粉症によるものだと診断を受けた患者は、「毎年春に花粉症の症状があるが、秋に(花粉症の症状が)出たのは初めて」と“季節外れ”の花粉症に驚いていた。すでに「秋の花粉症」と診断されている患者のなかには、「今年は特に症状がひどいので、先生にいつもよりも強い薬を出してもらった」と去年より症状が悪化したという人も。同じく去年より重い症状に悩む人は、「本当は窓を開けて生活したいが、花粉症の症状がひどくて、窓を開けられない」と今までと違う秋の訪れを体感していた。

秋はヨモギやオオブタクサなど草花の花粉に注意

春はスギやヒノキなど樹木からの花粉が多いが、秋は河川敷や公園、空き地など身近な場所に生えている草花の花粉が多い。豊かな自然に囲まれた「愛知県森林公園」に生えているヨモギもその一つだ。花粉症の原因となる草花は他にもある。森林公園管理事業部・廣永輝彦主任は、「秋の七草・ススキなどイネ科の植物やブタクサの仲間。なかでもオオブタクサという種が、河川敷に繁殖していることも、(秋の花粉症の)原因として非常に大きいのでは」と話す。愛知県森林公園周辺の河川敷を訪れてみると、あたり一面にオオブタクサが大繁殖。他にも、河川敷では秋の花粉症の原因といわれている、「カナムグラ」などの草花も多く見られた。廣永さんは、今年の猛暑も“秋の花粉症”の要因の一つではないかと予想する。「今年のように夏が暑かったりすると、夏の植物の生育が抑えられてしまう。その影響で、植物が花粉を飛ばす時期も遅れているのでは」と植物の成長ペースの乱れを例に挙げた。続けて、「このような植物が生えてる場所に、近づかないことが一番効果的だと思う」と秋花粉との関わり方を述べた。

春より小さい!花粉の大きさが症状にも影響

同じ花粉症でも、春と秋で症状はやや異なる。春の花粉症の原因は、主に山間部に生えているスギやヒノキ。花粉が飛ぶ距離は10㎞から数100㎞にまでおよぶため、市街地でも症状が出やすいのが特徴だ。一方、秋の花粉症の原因となるブタクサやイネは平野部に生えている草花。花粉の飛行距離は数10㎞と短いが、河川敷や公園など身近な場所で繁殖しているため、影響を受ける人が多いのだ。

また、秋の花粉では「喉のイガイガ」・「喉の痛み」が症状としてあらわれる。理由は、花粉の大きさ。春に飛ぶスギ花粉の直径は約35マイクロメートル。人の髪の太さ・約70マイクロメートルと比べると、約半分の大きさだ。秋に飛ぶブタクサの花粉はさらにその半分の、約20マイクロメートル。花粉のサイズが春の花粉より小さいため、花粉が鼻の粘膜を通り抜け、喉にまで到達。喉のイガイガや痛みの症状を引き起こしているのだ。

自己判断を避け、病院で検査することが大切

症状が似ているため、風邪との区別がつきにくい秋の花粉症。中京テレビ「キャッチ!」コメンテーター・森田豊医師は、「風邪の場合、鼻水に粘り気があったり、黄色や白など色がついている。また花粉症のように、クシャミが連発して出たり、目がかゆくなることはない」と風邪と花粉症の見分け方について述べた。続けて、「症状で区別することが難しいため、血液検査や抗体検査などを受けて、秋の花粉症なのか調べてみるのもいい」と検査の活用もひとつの方法として提案した。

秋の花粉は、まだまだ飛び続けることが予想される。マスクやメガネをしたり、家に入る前に花粉を払うなど春と同様の予防策が必要だ。また、喉の痛みや咳、クシャミなど体の不調を感じたら、自己判断を避け、病院で受診することも必要なのかもしれない。

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