音に敏感で不登校になった男の子 「自分にできることはないか」自信をくれたケーキ作り
真剣な表情で、米粉のシフォンケーキを作っている小学3年生の小島翼くん(9)
計量に始まり、生地作りや焼き上げて型から出すまで細かく審査される「米粉シフォン マイスタージュニア」の認定試験に挑戦中です。
シフォンケーキの膨らみにはスピードが大事。慣れた手つきでメレンゲを生地になじませます。焼き型に入れた生地をオーブンの中へ。
ケーキが焼き上がり、慎重に焼き型から出します。
型崩れもなくとってもきれいなシフォンケーキが完成しました。
これには試験官の先生も
試験官の講師:
「できたね、まっすぐだもんね。合格です」
見事、マイスター試験に合格。
一緒に来ていた母の栄理さん、思わず流れ出た母の涙。
小島栄理さん:
「最初は卵も割れなくて卵が床にいっぱい落ちたりとか米粉もぶわーってなっちゃったりする時もあったんですけど」
母の涙には訳がありました。
実は、翼くんは幼い頃から人一倍、音などの刺激に敏感。
小学生になるとクラスメイトの大声や叫び声が強いストレスとなり去年は1年近く不登校状態が続いていました。
学校に行けない間、自分にできることがないか考えた結果たどり着いたのが、母の趣味でもあったシフォンケーキ作り。
栄理さん:
「おうちにいた時もずっと一日中焼いていて夜中とかも。きょう僕何もやってなかったって言って焼きだして。(マイスター合格を見て)成長したな、がんばったなって」
学校には行けなくても慣れ親しんだ児童館には行くことができていた翼くん。
そこで同級生たちに自分のケーキを食べに来てくれないかと誘いました。
自宅を訪れた同級生たちに手作りシフォンケーキは大好評。
同級生:
「ふわふわしてて普通のケーキ屋さんでは味わえないくらいおいしい」
翼くんの不登校については
同級生:
「最近姿が見えなくてどうしたのかなとか思って」
「やっぱり来てほしいとは思ってた」
同級生を誘って自信をつけた次は、学校にケーキを持って行くことにしました。
可児市立桜ヶ丘小学校 渡辺史子教頭:
「(何度も)練習したと思うんですよ。失敗もあったと思うし。でも人をこうやって喜ばせるということで取り組んでくれたことが私としてはうれしいです」
シフォンケーキがきっかけで生まれた周りの人とのつながり。
わかった同級生や先生の思い。
翼くんは自信をつけ今では少しずつ学校に通えるようになっています。
【中京テレビ 「キャッチ!」 9月26日放送より】