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能登地震後、県外への“転出者”が大幅増…“過疎化”懸念も

2024年3月2日 17:33
能登地震後、県外への“転出者”が大幅増…“過疎化”懸念も
能登半島地震の発生から1日で2か月。石川県の発表で、地震後県外への転出者が大幅に増加していることが分かりました。一方で、被災地では、復旧にむけて2日もボランティアが活動を行いました。中継です。

珠洲市正院町です。地震の被害が大きかった能登地方では2日朝、雪が降り、とても寒い一日となりましたが、2日もボランティアの方が訪れ、がれきの撤去などの作業にあたりました。

県の被災地では現在、バスを手配して現地に送る形で1日あたり330人程度のボランティアを受け入れています。先月26日には穴水町に宿泊拠点を設け、1泊2日で長時間活動できるボランティアも始まりましたが、県は個人で被災地に入ることは控えるように求めていて、十分な支援は行き届いていません。

そんな中、石川県は県内の人口動態を発表し、地震発生からの1か月で転入者から転出者を引いた数が540人のマイナスと、1月としては過去最大となったことが分かりました。

市町別での減少率が最も高かったのは256人減少した輪島市で、次いで130人が減少した珠洲市となり、地震の影響を色濃く反映した結果となっています。

珠洲市民「地震で急に(人口が)減っていくと思う。仮設住宅を申し込んでも当たるか当たらないか分からないし」「私自身自宅が半壊しているし、どうしようかな。こっち(珠洲市)に自宅を建てようか、子どもがいる向こう(遠方)に建てようか、迷いはありますよね」

また、出生数から死亡者数を引いた数も、地震後の1か月で1030人のマイナスとなり、1971年の統計開始以来石川県では過去最大となっています。

珠洲市では2日、氷点下を記録し、厳しい寒さの中、作業にあたるボランティアの方は、涙を浮かべながら、「元の姿に少しでも近づけるよう、力になれたら」と話していました。

地震の影響を受けて、人口減少が進む一方で、石川県は「ふるさとに戻れるような環境を目指して復興を急ぎたい」としています。