「すべての人がおしゃれを楽しめるように」 おしゃれな福祉下着を開発へ 車いすのネイリストの挑戦【わたしらしく生きるプロジェクト】
わたしらしく生きるプロジェクトは、障害者のための「おしゃれな下着」の開発に取り組む、車いすの女性の挑戦です。
広島市安佐南区のネイルサロンで指先を彩るのは、ネイリストの新藤杏菜さんです。下半身にまひがあり、車いすを使っています。
この日は、男性も来店しました。爪をきれいに磨きあげます。
■ネイリスト 新藤杏菜さん
「男性も女性も「今日これで頑張れるわ」って言って、帰ってもらったりとかするので、すごくそれがうれしいですね。」
■来店した男性は
「気持ちいいですね。テンション上がるというか。」
「すべての人がおしゃれを楽しめるように」。そんな思いで新藤さんは今、新たな挑戦をしています。それは、障害者向けのおしゃれな下着の開発です。
体に異変が起きたのは、2008年でした。免疫の異常が起きる膠原病の一種・全身性エリテマトーデスを発症します。突然の車いす生活。子どもたちは、保育園に通い始めたばかりでした。
■ネイリスト 新藤杏菜さん
「ちょっと前まで子どものオムツを替えていた自分が、今度は替えられているっていう衝撃。人間じゃなくなったような感じがしていて。」
新たにはじめたネイルの仕事。「必要とされている」と前を向くことができました。一方、排泄障害で「尿取りパッド」をつける自分を、受け入れることはできませんでした。
■ネイリスト 新藤杏菜さん
「尿取りパッドはつけているし。下着をはいても、はみ出た下着だし…すごく自信がなくなって、コンプレックスに思ってしまって。」
長年、胸の内にしまっていた劣等感を、美容サロンを経営する友人にようやく打ち明けたのは、2年前のことでした。
■Ayuhaオーナー 山尾望翠さん
「『実はね』って言うので、『おしゃれな下着をつけたいけどなくて、それが作れたらいいな。実現できたらいいな』って聞いたときに、それは絶対に叶う夢だなと思って。」