“下半身見られた”小学校の健康診断で…男性医師は取材に「間違ったことしていない」 群馬・みなかみ町
群馬県みなかみ町の小学校で、健康診断の際に女子児童が、男性医師から下半身を見られたなどの相談が学校などに寄せられていることがわかりました。医師は7日、私たちの取材に応じ「間違ったことはしていない」と答えました。
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その日、学校を終えた娘が話した耳を疑うような出来事。
小学校高学年の母親
「(娘が)『聞いて聞いて、内科検診でパンツの中見られたんだよ』という話をされて」
群馬県みなかみ町の小学校で行われた健康診断で医師が行ったというのが、児童の下半身をのぞいたり、触ったりする行為。
それも1人だけではなく…
小学校低学年の父親
「(子どもが)『パンツの中見られた』って。話を聞いていくうちに『6年生の子も見られた』と。おやっ? と思って(他の保護者に)そっちはどう? と。『うちもなんだよね』という人ばかり。これはどうもおかしいぞと」
担当した医師(70代)は私たちの取材に対し…
「来年も同じことをやります。やめてもいいけど、それは子どものためになるのか」
どういうことなのか──
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3日前、「娘の小学校で健康診断が行われた際、(医師に)パンツの中を見られたそうです。他の小学校でもこんな健康診断をされるところがあるのでしょうか?」という情報が私たちの元に寄せられました。
小学校の健康診断について、不安を覚えたという保護者からの情報提供。他の保護者からも複数、不安の声が上がっているといいます。
私たちは、情報が寄せられた群馬県みなかみ町へ。取材に応じてくれたのは、子どもが町内の小学校に通っている保護者たちです。
小学校高学年の母親
「娘を迎えに行って車に乗せた途端、『聞いて聞いて』『内科検診でパンツの中見られたんだよ』『とにかくもう嫌だった』『なんで?』とずっと言っていました。『気持ち悪い』と」
小学校低学年の父親
「うちの子は小さいので重くは受け止めていないけど、話すということはそれなりにおかしいと思って、話してきたんだと思う」
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子どもも保護者も不安を覚えたという健康診断。
それは、3日前のこと。保護者らによると、町内の小学校の保健室で行われたといいます。
2つの小学校の生徒、合わせて100人ほどが保健室の前の廊下で待機し、順番に呼ばれて診察が行われました。中はパーティションが設置されていて、1人は入り口付近で待機。診察には医師、女性教員、保健の先生の3人が立ち会っていて、女性教員が児童の上着をめくり、医師が診察するという流れ。保健の先生は記録をつけていたといいます。
小学校高学年の母親
「保健の先生が1度か2度くらい入って、『何の検診されているんですか』とおっしゃったみたいなんですけど、(医師は)『ホルモンの成長を見ています』ということで続行された」
小学校低学年の父親
「仮にこれが正しい内科検診のやり方だったとしたら、日本全国で他にこのやり方を取り入れている学校があるのか聞きたいですね」
学校医として20年以上、学校健診を行っている医師に話を聞くと…
柴田小児科・柴田雄介院長
「昔は(服を)胸まで上げてもらって診察することが多かったけど、10数年以上前からは(服を上げるのは)女子はない。特に高学年に関しては配慮を10年以上前からしている」
文部科学省も今年1月、健診時には子どもたちのプライバシーや心情に配慮するよう全国の教育委員会に通知しています。(※体操服やタオルなどで体を覆って診察するなど)
今回の医師が行ったという下半身の診察については…
柴田小児科・柴田雄介院長
「実際に下腹部を診察するようなことはほとんどないと思う。一般の健診では行いませんね」
保護者などから相談がない限りは、下半身を目視で確認したり、触診したりすることはないといいます。
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今回、問題となっているのは70代の医師。私たちの取材に対し、下着の中を見たことは認めた一方、「触ってはいない」と主張。その上で…
健診の担当医師(70代)
「僕は間違ったことをしたと思っていない」
下半身の診察は、子どもの成長スピードや成熟のバランスを見るためで、この時期の診断で一番大事な診察だと主張。
健診の担当医師(70代)
「いい加減に見て、あとで文句を言われても困る。来年も同じことをやります。やめてもいいけど、それは子どものためになるのか」
教育委員会などは保護者説明会を行う予定で、医師も出席するということです。