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“闇バイト”に応募か…カンボジアから移送の12人逮捕 特殊詐欺の被害増加…都内だけで今年100億円超の可能性

2024年10月8日 6:02
“闇バイト”に応募か…カンボジアから移送の12人逮捕 特殊詐欺の被害増加…都内だけで今年100億円超の可能性

カンボジアを拠点とする特殊詐欺グループとみられる日本人12人が7日、日本に移送され逮捕されました。こうした特殊詐欺の被害は、増加傾向で今年は都内だけで100億円を超える可能性もあります。

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警察官に連れられ成田空港を歩く男たち。詐欺の疑いで逮捕された自称配管工の長谷川武士容疑者(43)、無職の山名準容疑者(42)、無職の渡辺真樹容疑者(26)です。

警察官に囲まれながら歩く男たちは羽田空港にもいました。男ら12人はカンボジアを拠点とする特殊詐欺グループのメンバーとみられ、7日に日本に移送され逮捕されました。男らはその後、車に乗せられ茨城県内の警察署へ向かいました。

「かけ子」とみられる12人。今年8月、警察官などを装って富山県の40代の女性に対し、「あなたの口座にあるお金が犯罪に使われたお金かどうかの調査がしたい」「調査をしないと全額を口座凍結されて使えなくなるおそれがある」などといったウソの電話をかけるなどし、現金160万円をだまし取った疑いがもたれています。

捜査関係者によると「『高収入で簡単な仕事がある』とだまされた」と話している容疑者や、現地当局に助けを求めた容疑者もいるということです。

捜査関係者によると、グループの上役に強制的にかけ子をやらされていた可能性もあるということです。

警察官を装って現金をだまし取るという手口。実は今、急増しているのです。

警視庁によると都内での警察官をかたる詐欺は、去年は3件でしたが、今年は1月から8月末までですでに228件にのぼっています。中にはビデオ通話でニセの「警察手帳」を見せてくるという手口もあるといいます。

さらに今年5月に起きた詐欺事件では、当時38歳の男性のもとに警察官を名乗る男から電話が…

警察官を名乗る男
「逮捕状が出ている」

そして、送られてきたのは「ニセの逮捕状」の画像。

警察官を名乗る男
「振り込めば無罪を証明できる」

ニセの逮捕状には住所なども記載されていて、慌てた男性は現金を何度も振り込み、合計9900万円をだまし取られたということです。

警視庁によると、今年の東京都内の特殊詐欺被害額は1月から8月末までで約70億5000万円。去年の同じ時期とくらべて18億円以上増加しているのです。

このペースのまま詐欺被害が続けば、被害額は100億円を超えることになります。

警視庁は、警察を名乗る人物から電話などで接触があった場合は相手に「所属、担当部署、氏名、内線番号」を確認し、最寄りの警察署に連絡してほしいとしています。

(10月7日放送『news zero』より)