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11月なのに4つの台風? 世界の平均気温“最高”確実に 各地で異常気象…「トランプ氏」も新たな懸念に【#みんなのギモン】

2024年11月12日 10:34
11月なのに4つの台風? 世界の平均気温“最高”確実に 各地で異常気象…「トランプ氏」も新たな懸念に【#みんなのギモン】
鹿児島や沖縄では9~10日、記録的な大雨となりました。11月として初めて、4つの台風が同時に存在する可能性もあります。世界各地で異常気象が発生し、平均気温は上昇。各国が団結した気候変動対策が求められているものの、新たな懸念もあります。

そこで今回の#みんなのギモンでは、「大雨&台風…今年の天気は異常?」をテーマに、次の2つのポイントを中心に解説します。

●11月なのに…4つの台風?
●異常気象 世界各地で

■11月として初めて「大雨特別警報」

山崎誠アナウンサー
「11月にもかかわらず、この週末には鹿児島や沖縄で災害クラスの大雨が発生しました。9日、鹿児島・奄美地方の与論町では猛烈な雨となり、気象庁は11月として初めて、『大雨特別警報』を発表しました」

「大雨の影響で道路の冠水が相次いで発生し、スーパーでは商品や冷蔵設備が水浸しになる被害が出ました」

■沖縄では「記録的短時間大雨情報」

山崎アナウンサー
「沖縄県でも記録的な大雨となりました。10日、名護市や大宜味村などでは『記録的短時間大雨情報』が相次いで発表されたほか、大宜味村の一部には一時、自治体から出される避難情報の中で最も危険度の高い警戒レベル5の『緊急安全確保』が出されました」

名護市の人
「車がダメになっていた。(水が上がった高さは)腰ぐらい。道路が川みたいに」

鈴江奈々アナウンサー
「比較的雨に強い地域でもこれだけの記録的な大雨で大きな被害になりました。11月なのに、と驚いているでしょうね」

山崎アナウンサー
「これまで以上に時期がずれたり、量が増えたりといった雨の被害が増えています」

■11月として初…4つの台風ナゼ?

山崎アナウンサー
「今、日本のはるか南には異例の台風が発生しています。11日正午時点の雲の様子を見てみると、南の海上に台風22号と23号、24号の“トリプル台風”が発生しています。熱帯低気圧もあり、これは11日夜には台風になる見込みです」

「11月としては初めて4つの台風が同時に存在する可能性があります」

森圭介アナウンサー
「季節外れの秋ですから、対策も変わってくるかもしれませんね」

斎藤佑樹キャスター
「これからの影響も気になるところですね」

山崎アナウンサー
「22号と23号は今のところ西に進むため、日本に影響を与えることはなさそうですが、熱帯低気圧は今後発達しながら北上し、暴風域を伴って台湾に近づく見込みです。(次の)週末には沖縄に影響する恐れもあり、注意が必要です」

斎藤キャスター
「なぜこんなに台風が発生しているんですか?」

山崎アナウンサー
「日本の南の海上の海水温が平年より高くなっていることが原因です。海水温が高いと熱帯低気圧が発達して台風になるので、11月になってもこれだけ発生しています」

「さらに、台風が発生すると北側の夏の高気圧を強める効果があり、日本列島を暖かい空気が覆うことになるので、この先は異例の暖かさになるということです」

■全国の平均気温、平年より高い見通し

山崎アナウンサー
「11日も夏日を迎えたところはありましたが、特に今週は熊本や鹿児島で25℃以上の夏日となる予想となっています。11月中旬にこれだけ夏日になるのはあまり例がないということです」

瀧口麻衣アナウンサー
「最近衣替えをようやくしましたが、またこのように暑いなという日が出てくると、夏物の薄い服を出さなきゃとなってしまって、服装選びが難しいなと感じています」

山崎アナウンサー
「厚着したり、暑すぎて脱いだりと調整が難しくなってくると思います。11月7日に気象庁が発表した1か月予報では、全ての週で全国の平均気温が平年より高い見通しで、気温がかなり高くなりそうです。平年より高くなる確率が50%以上です」

「気象庁は来週にかけて、10年に一度ぐらいしか起きないような厳しい高温になる可能性があるとしています」

■スペインで異常な大雨による洪水

山崎アナウンサー
「こうした気温の変化は世界でも起きています。今、世界各地で異常気象による災害が起きています。スペインでは10月、異常な大雨による洪水で200人以上が死亡しました」

■雨降らず…メキシコで干上がるダム

山崎アナウンサー
「その一方で雨が降らないと場所もあります。メキシコでは猛暑でダムが干上がってしまうなど、記録的な干ばつが続いています」

■世界の平均気温「最高」が確実に

山崎アナウンサー
「こうした中、EU(ヨーロッパ連合)の気象情報機関『コペルニクス気候変動サービス』は11月7日、今年の世界の平均気温が観測史上最も高くなることがほぼ確実になったと発表しました」

「2015年に採択された、温暖化対策をめぐる国際ルールの『パリ協定』では、世界の気温の上昇幅を、200年以上前の産業革命前と比べて1.5℃以内に抑える目標を掲げていましたが、初めて1.5℃以上高くなる見通しです」

■暑さで死亡の高齢者、過去最高に

山崎アナウンサー
「世界的な医学誌『ランセット』などの研究チームがまとめた報告書によると、去年世界で暑さが原因で死亡した65歳以上の高齢者は、過去最多の約41万人という推計が出ました。これは1990年代の平均の2.67倍に増えたといいます」

「地域別では、日本を含む西太平洋地域が最多で約14万人。ヨーロッパは約13万5000人でした」

森アナウンサー
「酷暑は、体に影響して命を奪う『サイレントキラー』という呼ばれ方もします。本当に危機になっていますよね」

■途上国支援の増額、COP29の焦点に

山崎アナウンサー
「その危険は見えづらい状況でもありますからね。温暖化対策を話し合う国際会議『COP29』が、11日に旧ソ連のアゼルバイジャンで開幕しました。今回のCOP29で焦点となっているのは途上国への支援です」

「ロイター通信などによると、現在先進国は温暖化対策のため、途上国に年間15兆円規模の支援を約束していますが、今回どれだけ増額できるかが焦点となっています。もっと必要との試算が出ています」

■米大統領選で先行きが不安定に

山崎アナウンサー
「さらに、気候変動における懸念点となっているのが、アメリカ大統領選でトランプ前大統領が返り咲いたことです。トランプ氏というと温暖化対策に否定的で、これまで『温暖化対策は経済と雇用に悪影響だ』と、大統領時代にパリ協定から離脱した過去もあります」

「バイデン政権になって復帰したものの、アメリカメディアは『トランプ大統領が誕生することで再び離脱する準備をしている』と伝えています」

「トランプ氏は常々、国内の産業を守ると話していました。国内産業保護のため気候変動への対応よりも石油採掘などを優先させる考えで、先行きが不安定になっているということです」

鈴江アナウンサー
「アメリカは世界第2位の(温室効果ガス)排出国で大きな影響がありますが、日本も5番目に排出している国です。しっかりと削減して、もの申して、世界をまとめていけるぐらいのリードを見せたいものですね」

山崎アナウンサー
「国々もそうですし私たち一人ひとりも、こうした気候変動について考えていきたいと思います」

(2024年11月11日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)

【みんなのギモン】

身の回りの「怒り」や「ギモン」「不正」や「不祥事」。寄せられた情報などをもとに、日本テレビ報道局が「みんなのギモン」に応えるべく調査・取材してお伝えします。(日テレ調査報道プロジェクト

最終更新日:2024年11月12日 10:34