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保護者による“宗教二世”への虐待 児相対応1年半で47件 言葉や映像などで脅す、こどもの意思決定を阻害など

2024年4月26日 12:01

児童相談所が去年9月までの1年半で対応した、いわゆる宗教二世への保護者による虐待が47件あったことが、国による初めての調査研究でわかりました。

こども家庭庁によりますと、全国の児童相談所へのアンケートの結果、去年9月までの1年半に、児童相談所が対応した保護者の信仰などによるとみられる児童虐待は47件あり、そのうち19件は、こどもが一時保護されたということです。

虐待の内容としては、言葉や映像などで脅す、こどもの意思決定を阻害するが最も多く、ついで信仰の宣言を強要、保護者が宣教活動に参加するなどして養育を著しく怠るなどが多かったということです。

一方、医療機関へのアンケートでは、去年9月までの3年間で、信仰などによって、こどもへの治療や輸血を拒否した例は20件で、このほかにも、母体への輸血拒否やワクチン接種拒否などが7件報告されました。「宗教関係者に手当てをしてもらったため、病院を受診せず、こどもが外来でそのまま亡くなった」と回答した病院もありました。

また、学校へのアンケートでは、保護者の信仰などによるとみられる虐待事例は、小学校で8件、中学校で9件、高校で8件報告されました。学校からは「本人からの訴えがなければ気づきにくい」「宗教の自由といわれると、学校はなかなか何もいえない」など対応の難しさがあげられました。

こども家庭庁は、「虐待の背景に宗教があるか、児童相談所などが把握するのは難しいので、今回報告された件数よりも多い可能性もある」とした上で、「こども自身が虐待だと自覚していない場合もある。こどもと接点があり、虐待だと気付ける立場の大人が重要だ。厚労省が2022年12月に出した『宗教の信仰等に関係する児童虐待等への対応に関するQ&A』の周知をさらにはかっていきたい」と話しています。

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