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【特集】液状化に津波、火災・・・克明な記録 60年前に発生した新潟地震の被害映像 撮影した男性が伝えたいこと《新潟》

2024年6月16日 17:14
【特集】液状化に津波、火災・・・克明な記録 60年前に発生した新潟地震の被害映像 撮影した男性が伝えたいこと《新潟》

60年前の1964年に発生した新潟地震。揺れの直後に現地に入り、被害の様子を克明に記録した男性がいます。映像を通して男性が伝えたいこととは。

真っ黒な煙

立ち上った真っ黒な煙。

昭和大橋

信濃川に落ちた昭和大橋。あの日の記憶は、今でも目に焼き付いています。

〈原山清さん〉
「覚えている、ここは」
Q)忘れないですか?
「うん、だいたい場所わかるね」

撮影した原山清さん

新潟市秋葉区に住む原山清さん(89)です。自動車整備工場を営んでいた原山さんは1964年6月16日、仕事をしている時に大きな揺れに襲われました。

カメラが趣味だった原山さん。
揺れのあとすぐにカメラを抱え新潟市の沿岸部へ車を走らせました。そして、当時の様子を克明に記録したのです。

〈原山清さん〉
「当時はね、なんでもかんでも撮るという気はあった」

被害が大きかった場所を重点的に

撮影したのは新潟駅や萬代橋、さらに昭和大橋など新潟市の中心部に加え、大規模な火災に見舞われた石油タンクなど被害の大きかった場所を重点的に回りました。

崩れた「こ線橋」

新潟駅の東側を通る「こ線橋」。

橋は列車を押しつぶすように大きく崩れていました。

萬代橋付近の歩道

こちらは、萬代橋の付近です。

道路には大きな亀裂が入り地面が隆起。

歩道は陥没していました。

「液状化、まさしく」

現在の万代地区の付近では…

〈原山清さん〉
「液状化、まさしく。(新潟地震の)そのあとにテレビとかで盛んに言った」

液状化現象が発生。

アパートが倒れる

そこから離れた川岸町でも4階建てのアパートが傾き、倒れました。

新潟地震を契機に研究始まる

ことし元日の地震でも大きな被害をもたらした液状化。

新潟地震を契機に本格的な研究が始まりました。

石油タンク火災

空を覆いつくすような黒煙。

〈原山清さん〉
「これは石油会社のタンクが燃えているところ」

揺れにより石油タンクから出火。約2週間にわたり炎上し、コンビナート火災としては過去最悪の被害が出ました。

さらに…

押し寄せた津波

〈原山清さん〉
「これは萬代橋の上から撮っている。津波の“2波”が上がってくるところ」

木材や家屋などを押し流す津波。

万代島付近では

こちらは新潟市万代島付近といいます。

がれきが山積みとなっていました。

古町では

一方、原山さんが驚いたのは…

〈原山清さん〉
「古町はあんまり被害がなかった」

中心部でも被害の差があったといいます。

翌日の新潟市内

そして翌日。

砂ぼこりのなか車を走らせカメラを回しました。

「衝撃的だった」昭和大橋の落下

向かったのは、昭和大橋。

〈原山清さん〉
「みんな衝撃的だった。初めての経験だからね、すごいものだなと」

信濃川に落下したその姿を鮮明に覚えています。

新潟地震では新潟や山形などで26人が死亡、7万棟を超える家屋に被害が出ました。

60年経った今も大きな地震が相次ぐ中、原山さんは映像を通して備えることの大切さを感じてほしいと話します。

自分なりの備えを

〈原山清さん〉
「私も先が長くないしいろいろ記録は残してあるので、図書館でも寄付しようかなと考えて。こういう映像を見て自分なりの備えというのが少しでも感じてもらえばためになるかなと思って」

色あせることのない記憶と記録。

60年前の教訓を今に伝えます。


2024年6月13日「夕方ワイド新潟一番」放送より

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